World Energy Watch

2014年3月12日

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 欧州全体の天然ガス輸入におけるロシア依存度は03年には45%だったが、12年には34%と下がってきている。しかし、この間欧州の天然ガス生産量は減少しており、輸入依存度は2分の1から3分の2に上昇している。消費全体に占めるロシアのシェアは20%強で変わっていないということだ。EUの原油輸入全体に占めるロシアのシェアは約3分の1、石炭(褐炭は除く)輸入に占めるロシアシェアも30%近くある。

 今後、温暖化問題で天然ガス消費が増加すると予想されること、さらにEU域内とノルウェーからの天然ガス生産の減少が続くことから、EUはロシアに依然として一次エネルギー供給のかなりの部分を依存する必要がある。中央アジア、北アフリカなどに供給源を多様化するにせよ、供給の中心は当分ロシアだ。一方、ロシアも収入維持のために欧州市場を守り抜く必要がある。

欧州市場を無視できないロシアの事情

 表が示す通り、ロシアは米国に次ぐ世界第2位の天然ガス生産国であり、世界一の輸出国だ。輸出量はLNG換算で年間約1億5000万トンある。このうち約50%がEUに、28%がCIS諸国、7%がアジア向け、残りがトルコなどに輸出されている。

 プーチン大統領の発言によればロシアの国家予算の半分は石油、天然ガスからということだが、実際の収入はもっと多いのではと見られている。天然ガス輸出の収入を維持、拡大することはロシアにとっては死活問題になる。

 ロシア政府は30年までにアジア向け輸出を19%から20%程度にまで持っていきたい意向だが、ここで問題になるのは、輸出価格だ。韓国、日本にはLNGの形で輸出することになるが、中国にはパイプラインで輸出可能だ。今の欧州向けの大半の契約と同じく原油価格の変動にリンクした価格で中国に輸出できれば、ロシアにとって問題はないが、中国は安値を要求するものと見られている。収入を考えるとロシアとしても確実に収入が見込める欧州市場でのシェアを維持する必要がある。

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