世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年3月31日

 米ヘリテージ財団のクリングナー上席研究員が、同財団のウェブサイトに2月19日付で掲載された論説で、オバマの4月のアジア歴訪の課題は日韓関係を修復させることであり、米国は米日韓による安全保障イニシアチブの創設を目指すべきであると論じ、歴史問題では日本に厳しく注文を付けるべきである、と述べています。

 すなわち、オバマ大統領が、4月のアジア歴訪の旅程に韓国を加え、重要な同盟国との関係の緊張を避けようとするのは、正しい決断である。日韓は、米国のアジアにおける安全保障上の利益を損ないかねない、デリケートな歴史問題をめぐって、再び緊張を高めている。オバマが、当初の予定通り、日本だけを訪問したならば、韓国は、米国が、日本の戦時中の行為への安倍総理の誤った修正主義的解釈を容認した、と解釈したことであろう。

 ワシントンでは、米国がソウルと東京の間の緊張を緩和するために、より積極的な役割を果たす必要がある、という合意が出来つつあるが、米国は、一方の肩を持っていると見られる危険性を考えて、仲介役を果たすことには依然として慎重である。

 2013年12月の安倍総理の靖国参拝は、ワシントンの反応への抵抗か、あるいは深刻な誤判断を示している。日本のメディアは、米政府の穏健な「失望した」との公式見解に、衝撃と憤激を表明した。しかし、現実には、米国は非公式には、安倍の行為に激怒していた。米国の日本防衛への信頼が繰り返し公然と疑われることも、ワシントンの怒りを悪化させた。

 日本海――あるいは、韓国の活動家が米国の教科書で明記を求めているように、東海――の向こうでは、朴槿恵政権も外交政策を歴史問題と区別することを拒み、過去の亡霊を現在の政策決定に付きまとわせることにより、ワシントンを失望させている。

 韓国の尹炳世外相は、2月初めに、韓国は中国との軍事情報共有協定を推進すべきである、と述べた。韓国が、同じ民主主義国家の日本との間で同様の協定を締結する前にそのようなことをすれば、韓国の外交政策の優先順位が如何に歪められているかを示すことになる。そのような協定は、韓国との間で共有されている軍事諜報情報への、米国の懸念も高めることになろう。

 中国と北朝鮮はともに韓国に安全保障上の脅威を与えているが、日本は与えていない。北京は、防衛支出の大幅増加に支えられ、嫌がらせと威嚇という攻撃的な外交政策を追求している。北京は、北朝鮮の国連決議違反を止めさせるなどの国際的努力を、繰り返し妨害してきた。

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