ウェッジ新刊インタビュー

2014年3月28日

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中田正則 (なかた・まさのり)

フリーライター

1956年京都府生まれ。早稲田大学卒。出版社等勤務を経て1986年に独立。以来、主として雑誌媒体で、ビジネス・経済・経営・人事分野の取材記事やインタビュー等を中心に執筆。

――アルツハイマー病のほかにも、認知症にはいろいろな種類があるそうですね?

丸山氏:かつては、認知症と言えば脳血管障害によるものとされていました。ところが20年ほど前から、分子生物学の進歩でアルツハイマー病の研究が進むと、突然アルツハイマー病の頻度が上昇しました。

 実際にアルツハイマー病が増えた面もあるかもしれませんが、それ以前は、ほとんどは脳血管障害、あるいは単なる高齢化として済まされてきたものが、アルツハイマー病と診断されるようになったという側面もあると思います。

 近年は「レビー小体型認知症」に注目が集まっています。報告されはじめた当初は、極めて稀な疾患例とされていましたが、その本体がわかって来たとたんにアルツハイマー病と同様に頻度が急上昇し、今やアルツハイマー病に次ぐ存在となっています。

 このほかにもいくつか別種の認知症がありますし、今後もっとさまざまな認知症の原因疾患が明らかになって、その頻度も変化してくるでしょう。

――アルツハイマー病の世界的な研究はどこまで進んでいるのでしょうか。

丸山氏:若い正常な人には前述の老人斑、もしくはタングルがほとんどみられないため、たぶんそれが原因ではないか。なかでも、老人斑の主成分であるアミロイド(Aβ=βアミロイド蛋白質)が一番の原因ではないかという説が現在の主流になってきています。

 アミロイドをつくる蛋白質の遺伝子に異常があると、まちがいなくアルツハイマー病になるという家系がわずかですが存在する。それが、このアミロイド説の最大の根拠となっているのです。また、このアミロイドをつくる酵素もすべてわかっているので、その阻害薬(Aβをつくりにくくする薬物)も、すでに開発されています。

 ところが、その薬物は10年ほど前から実際に人に投与されているものの、今のところすべて無効という結果に終わっています。その原因として最も有力視されているのは、すでに認知症になった人に投与しているので、それでは手遅れで効果が得られないのではないかということです。 

 そうしたなかで、今年から、アルツハイマー病を発症する前の健康な人に投与するという研究が、アメリカで始まる予定です。3~5年後にその結果が出れば、本当にアミロイドがアルツハイマー病の原因であるかどうか、はっきりと決着がつくというような状況です。

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