サイバー空間の権力論

2014年4月14日

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塚越健司 (つかごし・けんじ)

情報社会学研究者

1984年生。専攻は情報社会学、社会哲学。著書に『ハクティビズムとは何か』(ソフトバンク新書)、共編著に『「統治」を創造する』(春秋社)、など。TBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』火曜ニュースクリップ担当としてレギュラー出演中(http://www.tbsradio.jp/dc/)。

 一方EUでは、「忘れられる権利」についての議論が続いている。情報化の時代において、過去の過ちや見せたくないモノがネット上に残ることがある。これらは当時は個人の意志に基づいたものであるかもしれないが、人の意志は当然変わるもの。ネット上で自由に表現するために、現在とは違う過去の自分の情報を削除するための権利が忘れられる権利である。こうした権利が広く浸透していくことで、リベンジポルノに関する問題も緩和されていく可能性があるだろう(こうした問題に関しては、以下の記事が大変参考になる http://www.huffingtonpost.jp/2013/10/13/revengeporn_n_4093699.html)。

リベンジポルノ改善に向けて
「撮らせない」を徹底させる

 法整備問題は今後も議論するとして、最後に我々がどういう対応ができるかを考えたい。まず大前提として、ポルノは撮らせないという常識を徹底させることだ。例えば文部科学省は今年3月、リベンジポルノを含めた様々なトラブル防止の目的で、高校生を対象とした「ちょっと待って!スマホ時代の君たちへ」(2014年版)(http://www.mext.go.jp/a_menu/sports/ikusei/taisaku/1345380.htm)を公開している。

 またリベンジポルノの被害者からは、交際相手の求めに応じることが愛だと感じているケースや、また送ることが当たり前という空気=圧力を感じて送ってしまうケースもある。無論、信頼や愛情とポルノ写真は別物だ。写真を撮らせることが非常識だという「常識」やそうした空気を社会に浸透させていく必要がある。さらに、写真を撮らせないだけでなく、写真を撮るという行為そのものが非常識な行為であるという認識を形成する必要があるように思われる。

 以上のように議論してきたが、リベンジポルノに対する根本的な解決策はないのが現状である。誰にでも起こり得る問題であるが故に、まずは他人事ではないという認識を持つことからはじめよう。


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