世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年4月21日

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 Diplomat誌のティエッツィが、3月13日付同誌ウェブサイトで、中国軍の近代化について、技術面での近代化よりも組織構造の近代化がより重要であり注目すべきである、と言っています。

 すなわち、3月11日に、習近平は、全人代への人民解放軍の代表団との会合に出席した。これは、幅広い関心を引いている。

 中国のメディアも西側のメディアも、習の発言のうち、同じテーマに焦点を当てている。新華社の英語版の記事は、「習は国益に関して妥協しないと約束した」との見出しを掲げた。ウォールストリート・ジャーナルも、習の発言につき、国益を護るという側面に焦点を当てた。二つの記事はともに、習の発言の「我々は平和を望むが、我々は我々の正当な権利を維持する努力をあきらめず、いつ、いかなる状況においても、核心的利益について妥協しない」という部分を大きく取り上げた。

 しかし、こういう種類の発言は、驚くべきものではない。一つには、既に聞かされている内容である。中国が軍事予算の二桁増を維持することにした際にも言っている。もう一つには、世界中の軍隊は、習が人民解放軍に命じたようにまさに、国家の権利と国益を守るために存在する。もちろん、南シナ海と東シナ海で中国が他国と重なる領有権主張をしているので、中国の軍事的目標は厄介であり、習の発言のようなものを潜在的な脅しと受け取りたくなる。

 しかし、習の演説を、南シナ海の紛争にどういう意味を持つかという狭いレンズで解釈すると、より広い意味を見落とす危険がある。習の発言の焦点は、中国の国益を守る必要性にではなく、それを達成するためにどのように人民解放軍を改革するかにある。習は、国防および軍の新しい段階を打ち立てるために、改革と創造の精神を用いることを求めた。

 就任以来、習は、中国軍の近代化と強化を強調してきた。この目標のうち、技術的側面については多くが達成されている。しかし習は、中国軍を技術的側面だけでなく、軍の構造全体として近代化したがっている。

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