経済の常識 VS 政策の非常識

2014年7月9日

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 このうちGDPをどれだけ拡大するかという数量的効果が試算されているものは、TPP参加と女性の活用だ。TPPは貿易だけなら0.66%の効果しかないが、投資の自由化なども含めると2%であるという(内閣官房「関税撤廃した場合の経済効果についての政府統一試算」「PECC試算の概要」13年3月15日)。女性の活用は、私の試算によればGDPを18.5%増大させる効果がある(WEBRONZA「女性雇用拡大のためのコストはいくらか」13年5月9日)。雇用が増えるのだからGDPが増えるという当たり前の結果である。TPPと女性の活用以外の政策効果も含めればGDPが2割以上増えることは可能である。

 女性が働けるためには保育所が必要だが、子ども1人当たり月20万~30万円コストがかかる。財政再建と両立させるためには、働く女性の税金と保険料で元を取らないといけない。そのためにはフルタイムで働く人の子を優先して預かる必要がある。ところが、政府は幼稚園への支援も決めた。保育所ばかりに予算を付けずに幼稚園にもという要望が高まってそうしたのだろうが、幼稚園に預けることができても女性はフルタイムでは働けない。これでは、大胆な改革に取り組む覚悟が示されたとは言い難い。本気でなければ、成長率が長期的に高まるような成長戦略など実現できるはずがない。

◆WEDGE2014年5月号より









 

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