世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年5月6日

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 2014年3月25日、トニー・アボット豪首相は、初の日中韓の公式訪問を前に、キャンベラのアジア協会で講演をし、豪州の繁栄が、日中韓3カ国の経済成長に依るところが大きいことを強調しました。

 すなわち、本年は、豪州が初めて外交関係を他国と結んでから80周年になり、その相手先も同じくアジアである。

 世界の中産階層は、18億人から2020年までに30億人以上になると予測され、その増加の大半はアジアで起こると言われている。

 現政権は、豪州の最大輸出先3国との自由貿易協定を結ぶあらゆる努力をしている。韓国では、豪韓FTAへの署名を、日本では、日豪FTAの妥結促進を、そして中国では、自由貿易に向けた実質的進展を発表する予定である。

 FTAは、それを促すビジネスがなければ意味がない。そこで、今回の3カ国訪問には、財界のトップを同行する。

 私の中国訪問は、「中国における豪州週間」(Australia Week in China)の開幕とも重なる。

 中国の目覚ましい経済発展は、人類史上でも転換点となるものだった。豪州の石炭・鉄鉱石産業がそれに貢献したことを嬉しく思う。

 中国は、今や豪州の最大の貿易相手国である。数年後には、最大の移民元となり、更には、最大の旅行者や学生の供給国となろう。

 中国の成果は、数十年前に、日本と韓国が達成したことを、より大規模に行ったようなものである。

 日本と韓国は、何十年間も、強固な民主主義国かつ経済のパワーセンターである。日韓両国民が、経済発展のみならず、自由民主主義の価値を守ってきたことを、私は賞賛する。

 日本と豪州との友情は、世界史上においても、最も相互に利益をもたらす二国間関係の1つである。日本は約60年間、豪州にとって鍵となる経済パートナーだった。

 豪州の石炭・鉄鉱石産業は、当初、国内生産に特化した小規模産業にすぎなかったが、日本の需要と投資によって世界的産業に育った。戦後の豪州の繁栄は、どの国よりも日本に負うところが大きい。

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