うつ病蔓延時代への処方箋

2014年5月2日

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 社員の健康維持は、企業が抱える経営リスクの一つといえる。大半の企業が法律に基づき健康診断を実施し、一定年齢に達すれば人間ドッグも受けられるよう健康管理をする。しかし、メンタル面での対応は十分とはいえない。日本生産性本部のメンタル・ヘルス研究所は、長年にわたり企業のメンタルヘルス問題を調査分析してきた。同研究所の根本忠一・研究主幹に職場うつの変遷と企業の取り組みの問題点などを聞いた。

根本 忠一(ねもと・ただいち)
1982年明治大学卒業。民間企業を経て88年日本生産性本部入職。メンタル・ヘルス研究所で企業調査を通し産業人のメンタルヘルス研究に従事。労働組合、自治体、生協などにも関わる。調査分析とともに講演や執筆活動も行う。主な著作に『今を生き抜く 幸せに働き、喜んで生きるための36章』(コープ出版)など多数。2012年、論文「メンタル・ヘルスの指標を用いた組織活性化の試み」で全日本能率連盟賞受賞など多くの受賞実績をもつ。日本産業カウンセリング学会理事。

早期発見、治療だけで問題は解決しない

―― 職場でのメンタルヘルス対策は、どのようにあるべきだと考えていますか。

根本忠一さん

根本:まず、現在のメンタルヘルスの取り組みは、日本固有の問題意識に根差したものではなく、欧米から輸入された取り組みであることを認識すべきです。日本の組織文化や日本人の勤労観など、日本の企業にはまだ世界に誇れる組織体質があり、そうした日本的な組織風土に見合った施策を組むべきだと思います。かのピーター・ドラッガーもかつて来日したときに「日本は大丈夫。しかしひとつ条件がある。アメリカの真似をしないことだ」と言っています。

 メンタル・ヘルス研究所は1980年に設立されましたが、当時の状況と比べると厚生労働省の患者調査でも明らかなように、うつで悩む人は驚くほど増え、職場でのうつは深刻な状況になっています。

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