研究と本とわたし

2014年5月9日

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中田正則 (なかた・まさのり)

フリーライター

1956年京都府生まれ。早稲田大学卒。出版社等勤務を経て1986年に独立。以来、主として雑誌媒体で、ビジネス・経済・経営・人事分野の取材記事やインタビュー等を中心に執筆。

――和田先生は“サイエンスに境界はない”という信念のもと、化学専攻から出発して物理学に進み、そしてゲノム解読など生命科学の世界で活躍されていますが、そうした科学全般への興味は、幼い頃からのものなのでしょうか?

和田昭允氏(以下、和田氏):たしかに理科少年でしたね。父が東大の教授で航空研究所の所長をしていましたから、父の部屋には壁一面に洋書を中心に専門書が並んだ書棚がありました。そういった環境で育ちましたから、もともと理科系のベースはあったと言えますが、発端は「石」ですね。

和田昭允氏(撮影:書籍部)

 大磯に別荘があり、海岸を散歩すると例えば花崗岩とか、見た目や形状のおもしろい石があってそれを集め始めたのです。小学1、2年の頃だったと思います。

 3、4年生の頃には、自宅の3畳の物置を改造して“研究室”をつくり、鉱物・岩石・化石や昆虫の標本を展示したり、化学実験をするようになりました。5年生くらいからは「理科研究会」の活動に熱中しましたね。私と同じように理科に興味のありそうな級友3人を誘って、いわゆる理科クラブをつくったのです。理科の先生がとてもよく応援をしてくださって、放課後は遅くまで、理科実験室でいろいろな実験をさせてもらいました。

 中学へ進んでも理学同好会に入り、秋川渓谷に化石を採りに行ったり、かなり活発に動きました。一方その頃から、ラジオや電子回路の製作にも興味を持つようになりました。当時は戦争が激しくなっていた頃で、外国の放送を聴くことは禁じられていましたが、アメリカの宣伝放送やハワイの音楽を密かに受信したりもしていました。そうこうしているうちに、終戦になったのです。

――その頃影響を受けたり印象に残っている本があれば教えてください。

和田氏:小学4年生の夏休みに、麻疹になりましてね。大人しく寝かせておくためにと、親が『子供の天文学』(原田三夫著)という本を買ってくれました。これですっかり天文ファンになりました。これがサイエンスに目覚めた最初のきっかけです。

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