世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年5月22日

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 エコノミスト誌4月12-18日号が、中国共産党はNGOへの規制を緩和しており、中国で市民社会が根を下ろそうとしている、との記事を掲載し、中国社会の変容に期待を表明しています。

 すなわち、中国は、もはや党が命令し民衆が唯々諾々とそれに従う社会主義の天国ではなくなっている。3億人とも言われる中産階級が出現する一方、党が「ゆりかごから墓場まで」面倒を見るのを止めてしまい、その結果、多くの弱者、貧困者が苦しんでいる。

 そこに登場したのがNGOで、中産階級の参加への要求と社会的弱者のニーズの両方に応えようとしている。この25年間に登録したNGOは50万に上り、中には準官製や営利目的のものもあるが、本物のNGOも増えている。自閉症の親の会や、移民工の権利擁護や高齢者の面倒を見るものまで、非登録NGOも150万ほどある。その多くは非合法だが、地方政府が容認、奨励しているものも多く、驚くのは、今や中央政府もそれらを正式に認めようとしていることである。

 このことは、当然、共産党に難問を突きつける。党幹部の多くはNGOを、政府を堕落させ、やがて転覆させる西側の手先のように見てきたが、一面、NGOは人々の怒りを和らげ、党が提供し難い医療、教育等のサービスを提供して、党を助ける可能性がある。

 そこで、党は、活動を容認する代わりにNGOに手綱をつけ、小規模かつ地方的存在に抑えることでジレンマを解決しようとしており、これは今のところ大体上手く行っている。

 しかし、NGOが十分機能するには、政府がより踏み込んでNGO権利を明確にし、法律で擁護する必要がある。

 先ず、登録できるNGOの種類を増やすべきである。現在、それは社会サービスを提供するものに限られ、権利擁護団体などは登録できない。労働団体、組合、教会組織も非合法とされているが、これらも党が標榜する安定した調和ある社会に貢献できる。

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