2024年4月26日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年6月6日

 友好国も敵も、米国が軍の即応性を低下させるか否か、注視している。兵、兵器、技術への疑念ではなく、わが民主主義が効果的に機能するか、疑問視されている。

 米国は指導力に伴うリスクを取る意思を持つべきである。大統領も議会指導者も困難な予算決定、政治的リスクのある妥協をしなければならない。民主、共和両党で極端な主張が目立つ中で妥協はしにくいが、状況は次の選挙を待ってくれない。

 米国の強さは、国のために死ぬ用意のある勇敢な米国人にある。危険な時期に即応性を弱め、彼らをだましてはいけない、と述べています。

* * *

 上記のパネッタ前米国防長官の論説は的を射た論文です。

 対話と外交のみで諸問題が解決されるような世界ではなく、軍事力が役割を果たさなければならない危険な世界であるとの認識、米軍事予算に長期的な確実性をもたらす必要性など、述べていることはその通りです。

 軍事予算の問題は、超党派で取り組むべき国家安全保障戦略の一部として、長期的な視点で、また戦う兵士を念頭に考えられるべきです。政争の具にしてはいけません。

 パネッタ元長官のような良識派の意見が、行政府、議会の双方に浸透すれば良いと思います。

 今の世界では、米国が世界秩序維持のために役割を果たすべきです。

「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。


 


新着記事

»もっと見る