オトナの教養 週末の一冊

2014年6月6日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

ーー結婚を機に、子どもを産まなくても、雇用形態を変える女性が多いのではどうしてでしょうか?

水無田:それは、やはり家庭責任が取りきれないからでしょうね。今なお日本では、女性が担うべき家庭責任と家事・育児・介護などの諸々のケアワークが一体化しています。その上、外での仕事もあるとなると、時間のやりくりが大変なことになります。また、特に子どもをもつと実感しますが、女性はいざという時に家族のために時間をあけられることが前提とされているので、家の周辺地域からあまり離れられません。

 旧来の男性並みの働き方は、とにかく日常的な長時間労働と長期間の継続就労ですよね。長期間の継続就労については、出産や育児で一旦キャリアに抜けの出る可能性がある女性には厳しいですね。また、日常的な長時間労働も、家事や育児などのケアワークの責任が重い女性にはやはり厳しい。家事や育児、介護などが部分、部分に分解されれば、仕事は頑張ればできるかもしれませんが、家庭責任を負いながら会社人間として生きるのは難しい。

著者の水無田気流さん

ーーでは、女性が結婚、出産後も正社員として働き続けるには、どうしたら良いでしょうか?

水無田:まず、単位時間あたりの生産性を評価するような、評価システムに徐々にで良いので変えていくことですね。他には、同一価値労働・同一賃金の導入も必要なのではないかと思います。

 単位時間あたりの生産性を評価するシステムがなぜ必要なのかといえば、生産年齢人口が減少しているので、少ない人数でどれだけ生産性を上げ、より質の高い就労ができるかが問題だからです。しかし、ここ最近議論されている配偶者控除の廃止や移民の受入れにしても、とにかく泥縄式に働き手を増やす方向の議論ばかりなされている。これまで家庭でアンペイドワークに従事し、家族や地域社会の担い手であった女性を、お金に代わる労働に変えればいいという単純な発想で、時短や有給取得率を上げるといった働き方そのものを見直そうという方向にならないのが残念です。

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