インサイト霞が関

2009年6月5日

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日本経済新聞が6月4日からはじめた特集のタイトルは「フードクライシス」。のど元過ぎれば熱さ忘れる日本人は、昨年度前半の猛烈な食糧高騰によるパンや納豆などの値上げで大騒ぎしたことをもう忘れてしまったようですが、金融危機後の投資マネー崩壊で落ち着きを取り戻していた食糧価格がここにきて再急騰しています。日本の食糧安全保障は大丈夫でしょうか。

 

 最近の穀物市況急騰に加え、中国、インドをはじめ新興国の食糧消費の伸びが確実な状況を受けて、農林水産省などは、食糧の安定調達に向けて、民間企業の海外での農業関係投資を支援することにした。

 国際協力銀行なども交えた協議で、融資や技術援助の枠組みを整備する考えだ。

 しかし、大手商社などは「ノウハウがないし、天候リスクも大きい」(食糧担当役員)と穀物生産への進出に及び腰。

 そうした姿勢に配慮し、「資金・技術関係の政策を組み合わせて、民間企業を後押しする」(農水省関係者)わけだ。南米や黒海沿岸など「カントリーリスク」が懸念される国々を含む海外での農地取得や、穀物倉庫、集荷施設の整備を念頭に置いている。

――「WEDGE」2009年6月号より

 

■関連記事
「自給率UPだけで大丈夫? 農地争奪に出遅れる日本」
(「WEDGE」09年1月号)

海外農地に直接投資し、その収穫の分け前を優先的に仕入れるやり方は、いわば石油や天然ガスなどでよく行われている「権益取得」と同じで、「自給率」ならぬ「他給率」の考え方といえます。
潤沢なオイルマネーを持つわりには、肥沃な土地を持たないサウジアラビアなど中東各国は、海外農地取得に積極的に動き出しています。同じようなことを日本がやれないのはなぜか。上に見るように、省庁が後押ししても民間の意欲は高くありません。
その構図を解き明かしたのが、「WEDGE」2009年1月号の「自給率UPだけで大丈夫? 農地争奪に出遅れる日本」です。ぜひご覧ください。

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