2024年4月19日(金)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年6月30日

 ナショナリズムの高まりの背景には、中国の経済的台頭と急速な軍事力増強による露骨な現状変更の試みがあります。安倍総理の憲法解釈見直しの動き、モディ首相の中国との対等論、ベトナム、フィリピンの果敢な中国との対決姿勢などは典型的な例です。

 韓国の反日姿勢の背景には、米韓相互防衛条約で自国の安全を確保しつつも、経済関係の比重が圧倒的に高まってきた経済・軍事大国の中国とも関係強化を図っていきたいとする二股政策が存在します。反日感情を口実に、日米韓軍事協力強化を渋り、中国に媚を売る姿勢です。プーチンの対中接近は、ウクライナ問題での欧米との対立が大きな要因です。プーチンが今後とも、ロシアの極東地域における中国の圧力増大に対処していく必要があることに変わりはありません。

 以上のように、東アジアの主要国にとって、中国の経済的・軍事的台頭と力による露骨な現状変更の試みが最大の脅威となっていることは明白です。いま必要なことは、国際社会が東アジアの主要な脅威となっている中国の行動に対して結束して対抗していくことでしょう。その為にも、ウクライナを巡るロシアと西側諸国の対立の鎮静化を目指す努力、日米韓の軍事情報共有の実現が望ましいでしょう。

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