2024年4月25日(木)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月3日

 パントは、過去における米印間のぎくしゃくした関係について言及した上で、「おそらく、モディの首相就任は、ワシントンが望み得た最高のニュースであろう」と言っていますが、その理由づけは、直截的ではありません。モディの優先事項は国内にあるが、彼の野心的な国内政策を達成するのに、外的環境は極めて重要であると表現しています。そして、米国との強い絆は、経済的に発展し軍事的に強固なインドという、モディのビジョンを維持する助けとなろう、と言っています。

 つまり、そうはっきり言っているわけではありませんが、従来の非同盟中立主義の影響の下の、いずれの側につくのかはっきりしない外交から離れて、米国を中心とする民主主義諸国との連携、特に、自由経済の中における経済発展の方向に踏み切るチャンスだ、と言っていると解されます。そして、おそらくは――希望的観測も含めて――この筆者の観測が正しいのでしょう。

 なお、日本は、長年、モディと良好な関係を築いており、日米印の関係強化を推進するのに適した立場にあります。

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