地域再生のキーワード

2014年7月31日

»著者プロフィール
閉じる

磯山友幸 (いそやま・ともゆき)

経済ジャーナリスト

1962年東京生まれ。1987年早稲田大学政治経済学部卒業。日本経済新聞で証券部記者、同部次長、チューリヒ支局長、フランクフルト支局長、「日経ビジネス」副編集長・編集委員などを務め、2011年3月末で退社、独立。現在、経済政策を中心に政・財・官を幅広く取材、各種メディアに執筆するほか、講演やテレビ出演、勉強会の主宰など幅広く活躍している。オフィシャルHP(http://isoyamatomoyuki.com/)

著書に『2022年、「働き方」はこうなる』(PHPビジネス新書)、『理と情の狭間 大塚家具から考えるコーポレートガバナンス』(日経BP)、『国際会計基準戦争 完結編』(日系BP)、『ブランド王国スイスの秘密』(日経BP)など。共著に『オリンパス症候群 自壊する「日本型」株式会社』(平凡社)、『株主の反乱』(日本経済新聞社)などがある。

早稲田大学政治経済学術院(大学院)非常勤講師、上智大学非常勤講師。ボーイスカウト日本連盟理事。静岡県ふじのくにづくりリーディングアドバイザーも務める。

日経ビジネスオンライン(日経BP)、現代ビジネス(講談社)、フォーサイト(新潮社)、月刊 WEDGE(ウェッジ)、月刊 エルネオス(エルネオス出版)、フジサンケイビジネスアイ(産経新聞社)などに連載コラムなどを持ち、定期執筆している。

熊本・菊池市の酒屋である『渡辺商店』。全国的に有名になった「ごぼう茶」を発明した。
その後も新たな商品開発を進め、農家からは“言い値”で農産物を買い取る。作る人と売る人の役割分担が、消費者に信頼させる商品作りにつながっていた

Data 熊本県菊池市
人口:50,588
世帯数:18,453
主な産業:農業生産額のトップ3を肉用牛(76億円)、乳用牛(60億円)、豚(40億円)と畜産が占める。
拡大画像表示

 熊本駅からバスで小一時間。阿蘇山の北西麓に広がる菊池市は美肌の湯で知られる風光明媚な土地柄だ。ところが町の中心はご多分に漏れず「シャッター街」が続く。そんな商店街から、さらに路地を入ったところに、その活気に満ちた店はあった。

 有限会社渡辺商店。活気といっても客が溢れているわけではない。ところが従業員は忙しそうに動き回っている。それもそのはず。もともとは酒の小売りが本業だったが、代表の渡辺義文さん(42)が通販サイト「自然派きくち村」を立ち上げ、大ヒットしているのだ。顧客は北海道から沖縄まで全国におり、年商は2億円を超える。

 「この地域には素晴らしいものがいっぱいある。それに一段と磨きをかけて全国に売っています」と渡辺さん。無農薬・無化学肥料栽培のコメや、雑穀、野菜のほか、工夫を凝らした加工品がホームページに並ぶ。

菊池特産の「水田ごぼう」を無農薬で作る村上活芳さん(右)の畑を訪ねた渡辺義文さん(左)

 「自然派きくち村」がブレークしたきっかけは「ごぼう茶」。全国的なブームのさきがけとなった。

 菊池の「水田ごぼう」は、柔らかく、香り豊かなことで知られ、大都市圏の高級スーパーでも高値で売られる。名前の通り、おコメを作る水田で、コメ作りをしない時期に作られる。いわゆる「裏作」だ。当然、菊池で田植えが始まる6月中旬より前には収穫するから、4月から6月にかけて、一気に出荷のピークが来る。

編集部おすすめの関連記事

関連記事

新着記事

»もっと見る