世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月18日

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 6月5日付けNational Interest誌で、ホノルルのアジア太平洋安全保障研究センターのジェフリー・ホーナン准教授が、日中間の不測の軍事衝突を避けるため、2国間で取り決めを結ぶべきであり、2国間の取り決めが困難であれば、多角的取り決めで対処すべきである、と述べています。

 すなわち、さる5月、東シナ海上空で、中国の空軍機が日本の海、空偵察機2機に異常接近し、日中はお互いを非難しあった。2001年中国の戦闘機と米国海軍のEP-3が海南島沖の上空で衝突した例があり、もし日中の軍機が衝突した場合には,日中関係の現状を考えれば、事態が制御不能となる恐れがある。

 それ故、日中は事態を管理するため、目を覚まし、行動する必要がある。

 先ず、軍の交通規則を設定する必要があり、海上事故に関する取り決めを結び、事故が起きた場合、紛争にエスカレートしないようにすべきである。と同時に、中国海軍と海上自衛隊の間にホットラインを設けるべきである。日本のロシアとの取り決めが貴重な先例である。

 もし2国間の取り決めが困難であれば、次の最善の方法は多国間取り決めである。最近開かれた西太平洋海事シンポジウムで、日中を含む参加国は「海上での予期しない遭遇に関する規則」を採択した。それは法的拘束力はないが、船舶と航空機が海上で予期しない遭遇にあったとき、とるべき安全措置、基礎的通信、基礎的行動の標準的手続きについて合意したものである。日中両国はその具体策を検討すべきである。

 日中関係が冷えていても、両国には行動すべき理由がある。両国とも軍関係者の戦術的誤りが紛争に発展するのを望まない。日本の軍備は中国周辺国の中では最強であり、ASEAN諸国に働きかけて中国の侵略に対抗しようとしており、それは中国に対して立ち上がる事を可能にするような安全保障上の重要な変化である。したがって中国は以前より日本との紛争を管理しようとするだろう。東シナ海の不安定な状況を管理するには、日中両国が努力しなければならない。もし両国がその努力に失敗すれば、今後、東シナ海での挑発が頻発し、あるいはそれより悪い状況になるだろう、と述べています。

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 上記論説の提言は有益です。

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