田部康喜のTV読本

2014年7月16日

»著者プロフィール
著者
閉じる

田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 巣藤の学校の女生徒・芳沢亜衣(中村ゆりか)が、ラブホテルで一緒に入った男性を灰皿で殴った事件で、氷崎はその芳沢を保護する。

 芳沢は、巣藤に暴行されたと嘘をつき、彼は警察の取り調べを受けるが、事実関係が明らかになって放免される。

 リスト・カットを繰り返す芳沢の家庭の真実もこれから、明らかになっていくのだろう。

現代の家族の問題は
観客の共感を得られるか

 家族をめぐる深刻なドラマの進展のなかで、脚本はほろ苦いユーモアを織り込んで、家族のありかたをいまさらながら考えさせられる。

 氷崎の父は、徘徊しているときに、巣崎と知り合いになる。雀荘でマージャンを伴にし、氷崎の自宅にいって将棋を指している。

 巣崎は「アルツハイマーではない。家族がかまってあげないからそうなる」という。

 マージャンのシーンで、父親は勝ち続け、点数の数え方も早い。

 彼は家族に向かって言う。

 「きょうは頭の霧が晴れているから、遺言をいっておく」といって、娘と妻にこれから自分を捨てて自由に暮らすようにいうのだった。

 「家族狩り」は視聴率も10%を超えて順調な滑り出しである。サスペンスとしての面白味だけではなく、さまざまな現代の家族の問題を取り上げるテーマに、観客が共感できれば、夏の改編ドラマの佳作となるだろう。


「WEDGE Infinity」のメルマガを受け取る(=isMedia会員登録)
「最新記事」や「編集部のおすすめ記事」等、旬な情報をお届けいたします。

関連記事

新着記事

»もっと見る