世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年7月25日

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 6月12日付ディプロマット誌にDavid Lai米陸軍大学戦略研究所特任教授とCameron Stevens同研究所研修生が連名で寄稿し、米国のアジア回帰政策は不完全なものであるが、それを今からでも修正することは可能である、と論述しています。

 すなわち、オバマ大統領は5月28日、ウエストポイントにあるミリタリ・アカデミーでのスピーチのなかで、イラク、アフガニスタン情勢について述べ、米国が世界における不可欠な指導者であると述べた。しかし、期待には十分に応えなかった。最も顕著な欠如はアジア・太平洋への戦略的リバランスへの言及がなかったことである。

 もともと、2009年にオバマが大統領になってから、「米国はアジアに回帰した」ということが強調されたが、実際には米国はこの地域から離れたことはなかった。

 戦略的アジア回帰とは、中国との関係が焦点となるが、オバマと米行政府は一貫してこれを否定してきた。しかし、中国のみならず、アジア・太平洋の国々はリバランスとは中国に向けられたものであると理解している。

 米中間の最大の障害の一つは、双方の間にきわめて深刻な相互不信が存在することである。しかし、米国は率直にそのことを認めてこなかった。また、この地域の国々が米国の関与を必要としているのは、中国の「台頭」によるものであることを、米国は率直に認めようとはしなかった。そのため、結果的には、米中間の平和的な交渉の道を閉ざしてきた。

 アジアへの米国の転換がうまくいっていないため、米国の同盟国やパートナーたちは、自分たちの判断で独自に中国の威圧的台頭に対処しなければならない。結果として、これら同盟国の動きに米国が受動的に動かされるということになった。これはオバマ外交の失策である。

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