インドでイクメン始めました 新任取締られ役の子育て・ビジネス奮闘記

2014年7月30日

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 赴任後、初の一時帰国の日です。3カ月ぶりに妻と1歳4カ月になる娘と再会し、そのままインドに連れて来る予定となっていました。仕事を片付けて、デリー空港へ向かう車内、随分と気持ちが軽くなるのを感じました。新しい地で、慣れない仕事、ずっと力が入りっぱなしで、大分疲れていたようです。飛行機に乗り込み、ビールとウィスキーを飲むと深い眠りにつきました。日本まで約8時間のフライトも体感時間2時間といったところでした。

「再会はいつも涙」

 いよいよ、妻と娘に再会です。赴任後もほぼ毎日、LINEのビデオ電話で顔を見ながら、話をしていました。iPadの画面越しに「ぱっぱあ、ぱっぱあ」といつも呼びかけてくれているので、3カ月ぶりといっても、日本にいる時と変わらず、懐いてくれるだろうと当然のように思っていました。

 改札を抜けて、ベビーカーに乗った娘と再会すると、完全にフリーズした娘の顔がありました。一生懸命目の前の状況を理解しようとしているときに出る表情で、なぜか井上陽水が驚いたときの表情に似ています。妻曰く、会う直前までiPhoneに向かって、「ぱっぱあ、ぱっぱあ」と繰り返し言っていたようです。つまりパパである私の存在は、完全な2次元のバーチャルワールドに追いやられてしまったようです。テクノロジーへの過信は禁物であります。スキンシップの大事さを、身をもって体感した瞬間でした。

 とにかくショックでした。日本にいるときは、どんなに仕事が遅くても毎日一緒に朝風呂に入ってきましたし、毎朝保育園へ送り、育休もとってパパと娘だけの旅行もしました。あの温もりのあった思い出が一瞬にして暗転しました。そんなわけはないだろうと、車に乗るときは私が抱っこすることにしました。残念ながらの、終始ギャン泣き。 妻に途中交代です。翌日も得意の一緒にお風呂に入る作戦で関係修復を図りましたが、こちらも全力で逃亡されました。育メンエースの自信は完全に地に堕ちました。

 後日、インド赴任中の諸先輩にこの話をしたところ、子どもは会わないでいると、当然のように忘れていくとのことでした。特に駐在中に二人目、三人目が出来たりして、奥さん、娘さんが半年以上帰国などしたりすると、次会うときは完全に他人扱いでスタートするそうです。とはいっても、血の繋がった親子。少し時間が掛かるものの、また元の関係に戻っていくそうです。つまり私の経験も、いわば、駐在員あるあるの一つのようです。

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