オトナの教養 週末の一冊

2014年8月15日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

 8月15日の終戦記念日になると毎年、テレビをはじめとしたメディアでは第2次世界大戦に関するドラマや特集などが組まれるし、学校の授業でもしっかりと習った記憶があるので、それぞれイメージがあることだろう。しかし、今から100年前に開戦された第1次世界大戦となるとなかなかイメージが沸かない。日本の第1次世界大戦前後の時代状況と現在では類似点があり、国際政治の上でもターニングポイントにもなったという。果たしてどんな時代だったのか。『第一次世界大戦と日本』(講談社現代新書)を今年6月に上梓した、日本政治外交史が専門の井上寿一学習院大学学長に話を聞いた。

――第1次世界大戦は、第2次世界大戦に比べると、日本では一般的にも印象が薄いイメージです。

『第一次世界大戦と日本』(井上寿一、講談社)

井上:私も日本人の平均的な意識しか持ちあわせていませんでした。意識が変わったのは、欧州日本学研究所(フランス・アルザス)のセミナーに講師として参加した時でした。会場近くの教会に第1次大戦と第2次大戦でアルザスから出征し亡くなられた方の名前が記されているのを見つけました。戦没者の数を数えてみると、1次大戦のほうが5割くらい多いことに気が付き、驚いたんです。ヒトラーやムッソリーニが台頭した第2次世界大戦が大きな出来事であったのは言うまでもないのですが、ヨーロッパにとっては、第1次大戦のほうがさらに深刻な意味があったんだなと。

 私の専門は日本政治外交史なので、それから第1次大戦と日本との関わりを調べるようになったんです。第1次大戦から今年で開戦100年ということで、ヨーロッパでは10年くらい前から関心が高まっており、さまざまなシンポジウムが開かれたり、たくさんの本が出版されています。日本でも関心が高まってほしいと思います。

 100年前の6月には、第1次大戦の発端となったサラエボ事件が起きました。100年前の日本や世界を調べてみると、現在にもつながる問題がすでに起きています。それを皆さんに知っていただきたいなと思いこの本を書きました。

――100年前と現在で、同じ問題とは具体的になんでしょうか?

井上:日本の100年前と現在の類似点として、長期経済停滞、社会的な格差の問題、政治の3つがあげられます。

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