今月の旅指南

2014年8月22日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 俳書をはじめ短冊など真蹟(しんせき)類のコレクションで知られる柿衞(かきもり)文庫。俳文学者の岡田利兵衞(柿衞)が収集した資料を基に昭和59年(1
984)に創設された。今年で開館30周年を迎えることを記念し、特別展が開かれる。

 展示の主題は松尾芭蕉。開館から30年の間に新たに発見された資料50点と、知名度の高い芭蕉の名品30点余りが一堂に会する。

芭蕉筆 《荒海や》 句色紙 個人蔵

 見どころのひとつが、「荒海や」の句の真蹟と、芭蕉の代表句「枯(かれ)えだにからすのとまりけり秋の暮」の自画賛。いずれの作品も一時所在不明となっていたもので、今回84年ぶりの展示公開となる。なかでも「荒海や」は、『おくのほそ道』の旅で詠まれた有名句「荒海や佐渡によこたふ天の河」を書いたもので、芭蕉の門人、森川許六(もりかわきょりく)が秘蔵していたとの由緒書がともに伝わる。「荒波や」の句は、併せて初公開の真蹟2点と所蔵品の真蹟草稿も展示され、筆致の違いを見比べることができる。

 さらに、門人の作品を絶賛する書簡など11点の新出書簡からは、芭蕉の人柄が偲ばれて興味は尽きない。今年で生誕370年を迎える俳聖、芭蕉の足跡を改めてたどってみたいものだ。

柿衞文庫開館30周年 
芭蕉生誕370年記念
「芭蕉─30年間の新出作品を中心に」
<期間>9月13日~11月3日 ※会期中、展示替えあり
<会場>兵庫県伊丹市・柿衞文庫(宝塚線伊丹駅下車)
<問>☎072(782)0244
http://www.kakimori.jp/2014/04/30_3.php

*情報は2014年7月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

◆「ひととき」2014年9月号より

 

 

 

 

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