今月の旅指南

2014年8月22日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

重要文化財 《黒き猫》  明治43年(1910) 
永青文庫蔵(熊本県立美術館寄託)*展示期間:10/15~11/3

 明治期に活躍した日本画家、菱田春草(ひしだしゅんそう)。岡倉天心、横山大観らとともに、日本美術院の創設に参加するなど、近代日本美術の発展に大きな役割を果たしながら、36歳の若さで病没した。生誕140年に当たる今年、15年にわたる画業を振り返る大回顧展が、東京国立近代美術館で開催される。

 会場には100点を超える春草の作品が勢ぞろいする。東京美術学校時代から日本美術院、そしてインド、欧米への遊学を経て、晩年を過ごした東京・代々木時代まで、その創作の軌跡を年代を追って振り返る。重要文化財に指定された4作品、「王昭君(おうしょうくん)」「賢首菩薩(けんしゅぼさつ)」「落葉(おちば)」「黒き猫」をはじめ、「水鏡(みずかがみ)」「菊慈童(きくじどう)」など、春草の代表作を展観できる。

 なかでも、当時住んでいた代々木の雑木林をモチーフに、木立を描いた屏風絵「落葉」の連作5点は圧巻で、その構図や表現法の違いに注目したい。また、「黒き猫」以外にも「白き猫」や「柿に猫」など、さまざまな猫作品が鑑賞できるのも楽しみのひとつ。秘蔵作品が多いといわれる春草だけに、初公開の作品や数十年ぶりに出品される作品も数多く、見ごたえのある回顧展となりそうだ。
 

菱田春草展
<期間>9月23日~11月3日
※期間中、展示替えあり。都合により出品作品や展示変更が生じる場合があります
<会場>東京都千代田区・東京国立近代美術館(東京メトロ東西線竹橋駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://shunso2014.jp/index.html

*情報は2014年7月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

◆「ひととき」2014年9月号より

 

 

 

 

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