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2014年8月29日

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佐々木智弘 (ささき・のりひろ)

防衛大学校人文社会科学群国際関係学科准教授

1994年慶應義塾大学大学院前期博士課程修了。日本貿易振興機構アジア経済研究所東アジア研究グループ長を経て、2014年2月から現職。共著に『習近平政権の中国』(アジア経済研究所)、『現代中国政治外交の原点』(慶應義塾大学出版会)。

 また習近平は江沢民や胡錦濤にも言及している。

「江沢民同志、胡錦濤同志も次のように指摘している。鄧小平同志がいなければ、中国人民が今日の新生活を有することはできなかった。中国は今日の改革・開放の新局面や社会主義近代化の光明な未来を有することはできなかった」

(2)共産主義の理想を掲げた鄧小平

 次に、習近平は鄧小平が各時代においていかに社会主義、共産主義を信じてきたかに言及し、そこから学ぶことを次のように語った。

われわれ共産党人が党性を鍛えるには、まず共産主義の遠大な理想と中国の特色を持つ社会主義の共同理想を強固にすることである。われわれは志を変えることなく社会主義、共産主義のために執着した鄧小平の精神を学習し、中国の特色を持つ社会主義の道の自信、理論の自信、制度の自信を確固とし、堅忍不抜に、雨風を妨げとせずにわれわれの目標に向かって勇気を奮って前進しなければならない。

(3)外国との関係

 そして、もう1つ鄧小平から学ぶべきことを次のように語った。

われわれの国権(国家の権利―筆者注)、われわれの国格(国の体面や尊厳―筆者注)、われわれの民族的自尊心、われわれの民族独立、カギは道、理論、制度の独立である。

われわれ自身の不足、よくないものは努力して改革をしなければならない。外国の有益なもの、よいものをわれわれは謙虚に学習しなければならない。しかし、外国を全面的に真似てはならない。さらに外国のよくないものを受け入れてはならない。むやみに自分をさげすんではならない。自国の歴史に無知であってはならない。

習近平の政治観 「3つの特徴」

 習近平の講話を生誕110周年にあたり鄧小平を賞賛するものとだけ捉えることもできる。しかし、時の最高指導者の講話である以上、そこにはこの機会を自らの政権運営に都合よく利用しようという意図が働くことは古今東西見られることであり、習近平とて例外ではない。

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