2024年4月26日(金)

中国メディアは何を報じているか

2014年9月18日

今ではネットで徴兵登録ができる

 問題責任を厳しく追及するという事では、徴兵機関に各規律監督部門では関係常務について巡視、監督を展開し、問題を直ちに発見し、群衆による監督、世論監督作用を発揮させて、通報された問題や発見された手がかりなどを通じてしっかりと調査を行う事が求められている。

 国防部徴兵事務局は近く総政治部の規律検査部門や国の関係機関と連携して捜査人員を選抜して専門の徴兵に関する作業グループを組織して、各地での清廉潔白な徴兵を徹底するため、各種規定の実施状況について隠密捜査を行い、問題発見次第、厳粛に捜査処分を行い、徴兵任務において良好な社会環境を作りだすよう徹底させるという。

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【解説】

 記事(1)は、海外華僑向けニュースサイトで中国政府に批判的な『博訊』サイトならではの内容で、中国社会では通常、軍に関する否定的な具体的内容についての報道は検閲によってなされることはほとんどない。ただ記事(2)で紹介した軍機関紙の『解放軍報』が伝えた緊急通達によって贈収賄蔓延の深刻さが裏付けられた形になっている。

新兵の配置先一覧リスト。地方の軍機関が新兵任地の配置先を公表。多くの新兵が国内治安部隊の武装警察に配置され、特に新疆ウイグル自治区への配置が多いことが窺える。

 尚、中国での兵役制度について簡単に説明しておくと、一番の基本原則は、「中華人民共和国憲法」に記された「法律に依拠して兵役に服し、民兵組織に参加することは中華人民共和国公民の栄光ある義務」と記された条項(第2章)であり、国民には「国防の義務」があることから、徴兵制が建前であるが、志願兵で充足できるため選抜徴兵で、実質的な志願制となっている。中高や短大、大学を卒業した若者の就職が困難になるなか、兵役に就くことが公務員という職業選択の一つになっていることから兵役斡旋で賄賂が横行する事態になっているのである。また、同時に地方の軍機機構のいわゆる「武装幹部」にとっては兵役斡旋がうまい汁を吸えるビジネスと化しているわけである。


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