世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年9月23日

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 8月15日付のNational Interest誌で、C. Raja Mohan印オブザーバー研究財団戦略研究部長及びRory Medcalf豪ロウィー研究所国際安全保障プログラム主任が連名で論説を寄せ、アジア太平洋・インド洋を通じ、中国の独善的拡張主義とこれに対するアメリカの対中宥和的対応は、この地域の国々に新しい安全保障の枠組みを考えさせる二大要因となっている、と述べています。

 すなわち、米国とオーストラリアとの同盟関係は強固である。しかし、変わりつつあるアジアの状況を考えれば、オーストラリアのような国でさえ、安全保障のすべての卵をアメリカとの同盟関係という一つの籠に托することには躊躇せざるを得ないだろう。

 ここでは、アジアの戦略的不安定に対処するため、「ミドルパワー連合」を作るという構想を提起したい。オーストラリアと並び、この構想を始める上でもっとも適当であると思われるのはインドである。

 新しい安全保障の枠組みを考える上で考慮すべき要素は、台頭する中国の強圧的姿勢と米国の対応の不確実性である。アジア太平洋・インド洋の国々としては、単に米国との同盟関係に依存するだけではなく、ASEANのような非同盟かつ多数国間の機関創設を希望することとなるだろう。それらは現存の安全保障体制にとって代わるものではなく、それらを補強すべきものである。

 ベトナム、フィリピン、日本などに対する中国の一連の強圧的姿勢を見て、この地域の国々は中国にそのような姿勢を変えさせるきっかけになるのは何かと考え始めている。

 この地域の国々は、同時に米国の関心と決意のほどに不安感を持ち始めている。多くのアジアの国々はオバマ政権の中国への宥和的姿勢、「アジア回帰」のスローガンを打ち出してからもそれを実行しないような過去6年間の指導力に対し、懸念を抱いている。アジアの国々は、アメリカが中東、ウクライナ情勢などで忙殺されており、アジア太平洋に十分な関心が行き届かないことにも不安感を持っている。それらの結果、多くの国々は米国が中国に対して譲歩しすぎるのではないかとの危機意識を持っている。

 アジア太平洋の安全の枠組みを作るのは米中2カ国であり、他の国々は無力と考えるのは間違いである。その「中間のプレイヤーたち」の役割を考えるべき時期に来ている。オーストラリア、韓国、ASEAN(インドネシア、ベトナム、マレーシア、シンガポール)、日本、インドに至る国々を入れて考えるべきだ。これらのアジアのミドルパワーが互いに協力することによって、地域のバランス・オブ・パワーに変化をもたらすことが出来る。

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