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2009年6月30日

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飯塚恵子 (いいづか・けいこ)

読売新聞政治部次長
上智大学卒業後、読売新聞社入社。政治部記者として首相官邸、自民党、外務省、防衛庁などを担当。1998年から2000年まで那覇在住、03年から06年までロンドン特派員。

 北朝鮮が5月25日に行った2回目の核実験に対し、世界は怒りとともに、厳しい態度で臨んだ。日本と韓国はもちろん、オバマ米大統領をはじめ、4月の弾道ミサイル発射の際は国連の制裁強化決議に反対した中国とロシアも即座に非難声明を発表。“瀬戸際戦略”を突き進む北朝鮮は、国際的孤立を深めている。

 実験の爆発規模など、詳細は6月初め現在、未確定だが、米政策研究機関「全米科学者連盟(FAS)」の核専門家などの間では、「(TNT火薬換算で)4キロトン程度だった」との見方が広まっている。2006年10月の1回目の実験の規模が1キロトン以下だったことを考えると、核弾頭の性能は一定程度向上したとの分析が多い。これとともに弾頭の小型化技術が進んだとすれば、ミサイルへの搭載はいよいよ現実味を帯びてくる。

 2回目の核実験は予想されたこととはいえ、国際社会は外交・軍事の両面で、危機のレベルが一段と高まったといえる。日本にとって最大の課題は、日米同盟の信頼性をどう向上させ、機能させるかだ。

 「政権中枢にいる人は公に言えないだろうが、6ヵ国協議は死んだに等しい」

 核実験から2日後の5月27日、オバマ政権にアジア政策を助言するある米外交専門家は、こう語った。

 北朝鮮の核問題をめぐる話し合いは、もう6年間近く、中国を議長に、米国、日本、韓国、ロシアと北朝鮮が集まる6ヵ国協議が主舞台となってきた。03年8月に始まった協議は、昨年12月、核計画の検証手続きをめぐって物別れに終わって以降、開かれていない。

 その後、北朝鮮の“恫喝外交”は一段とエスカレートし、4月5日には長距離弾道ミサイルを発射。国連安全保障理事会がこれを非難する議長声明を9日後に採択すると、北朝鮮は「二度と絶対に参加しない」と、6ヵ国協議へのボイコットを宣言した。

 ホワイトハウス内では、4月29日に北朝鮮が2回目の核実験実施を予告した頃から緊張が高まり、連日、会議が続いた。国家安全保障会議(NSC)、国防総省、国務省を中心とした高官クラスの協議が一日に数回開かれる日もあったという。民主党関係筋は「北朝鮮問題は、オバマ政権にとって重要議題に急浮上した。政権発足以来、アフガニスタン、パキスタン、イラン問題などに重点が置かれてきたが、北朝鮮は今、政権のトップ3の課題に入った」と語る。

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