対談

2014年10月3日

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飯田:正真正銘のレッドオーシャンですもんね(笑)。

木下:そんなものにわざわざ投資をするなんて考えられないから、まずは全国でも数の少ないものにしようという話になる。商業施設再生でも、「隣近所にはない店を入れよう」となり、自分で作って自分で売る製造小売業でないといけない、と絞り込みが自然と働くわけです。

 でも大半の事例は、他地域で成功している事例のコピーばかりです。同じことをそのまま自分の街でやろうとする。そうやって失敗ばかりが繰り返されてきます。そこには事業性どころか公共性さえも見当たりません。

非競争社会の限界

飯田:小さい地域――例えば郡部の機関集落であっても少なくとも「県内で唯一」をやらなければいけない。中小都市なら「○○地方で唯一」くらいは……理想は「全国で唯一」ですけど、少なくとも隣町にあるものはやめようよ、ということですね。

木下:それくらいは調べようよ、と思いましたね。でも、全然調べられていないパターンが多い。

 せっかくの公民事業を、役所が主導権を握ってしまうと、経済や経営的側面よりも、地元の政治行政的なパワーが勝ってしまいがちです。建物も税金、土地も公用地、運営も指定管理者制度でやっているのに、その施設利用料は民間施設よりも高いといったことが普通に起こるのです。

飯田:何をやっているのかわからない。

木下:原因のひとつは、コスト面でさまざまなムダがあることです。もうひとつは、周辺よりも安くすると地元事業者からクレームが出るんです。たとえば合宿施設などを作ると、周辺の旅館やホテルから「税金使ってうちらより安くするなんて民業圧迫だ!」と抗議される。地元議会でも「民業圧迫!」の大合唱が起こったりします。「民業圧迫」って口に出して言ってみたい日本語みたいです(笑)。

飯田:言う方にとっても、聞く方にとっても響きがいいんですね。

木下:結果として、全部税金で作ったのに、周辺施設よりも1000円高いなどという料金設定になってしまう。元も子もありません。

飯田:ああ、あの謎の価格設定はそういう理由だったんですね。僕は「本当は使ってほしくない」ということなのだと思っていました(笑)。

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