世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年10月7日

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 8月1日付の米ヘリテイジ財団のサイトで、William T. Wilson同財団上席研究員が、 台湾経済は中国一国への過度の依存構造を脱却し、FTAやTPPを通じ、より多くの国々との経済関係を強化しなければならない、米国はそのために台湾を支援すべきである、と論じています。

 すなわち、冷戦時代、台湾経済は米国に依存していたが、この関係は今日、中国に取って代わられた。

 台湾は1980年代後半から1990年代前半にかけて、高い一けた台の経済成長を達成した。しかし、そのあと成長は減速してきた。

 台湾はアジアにおける自由貿易協定(FTA)の枠組みから締め出され、輸出、対外投資の面でもますます中国に依存するようになっている。

 その結果、台湾経済のファンダメンタルズは悪化している。中国中心の経済関係の結果、台湾経済は衰退の傾向を見せている。

 台湾の経済面での「現状維持」はこのままでは持続できなくなるだろう。台湾経済には正しい政策への軌道修正が必要であり、台湾が二国間または多国間の枠組みの中で、アジア太平洋の他の多くの国々と関係を強化するよう、米国は働きかけるべきである。

 米国では「台湾関係法」との関連で安全保障面での米国の役割について議論されることは多い。しかし、中国の台湾経済への影響力拡大やそのような中国の威圧的攻勢への対処については、あまり注意が払われてこなかった。

 2000年から2013年にかけて、台湾と中国(香港を含む)の貿易量は年率18%の割合で急増してきた。その結果、今日、中国は台湾の最大の貿易相手であり、台湾の輸出の40%が中国向けである。

 対外投資においては1991年から2011年にかけ、中国の占める割合は10%から84%まで拡大した。

 最近3年間(2011-13年)の台湾の経済成長率は2.6%に低下している。ちなみに、過去に遡れば、1984-97年は7.6%、1998-2007年は4.5%、2008-13年は2.9%である。

 中国の対台湾政策の最大の眼目は経済関係そのものにはなく、政治的に台湾を統一することにある。経済的手段を用いて、台湾に深く浸透しようとしている。

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