ヒットメーカーの舞台裏

2014年11月3日

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池原照雄 (いけはら・てるお)

ジャーナリスト

1950年生まれ。専門紙や全国紙の経済記者として自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリーになり幅広い執筆、講演活動を展開。著書に「トヨタVSホンダ」(日刊工業新聞社)、「図解雑学 自動車業界のしくみ」(ナツメ社)など。

 内蔵のスキャナーで名刺を読み取り、画像として保存する。その際、相手の企業名や氏名を五十音順などで登録し、素早く検索できるようにした。ビジネスパーソンには共通の悩みでもある名刺の整理・保存をデジタル化でサポートする。価格(税別)は2万7000円と安くはないが、7月の発売直後から月次計画を上回る堅調な出足になっている。

名刺管理機能に特化した専用ツール

 デスクでの利用を想定し、幅、奥行き、高さともに13センチ前後とコンパクト。電源はACアダプターを使う。本体上部右にある円筒形のダイアルを、くるくる前後に回すと、あたかも名刺をめくるようにアナログ感覚で画面が切り替わる。検索方法は五十音、アルファベットのほか、任意に設定できる「グループ」や「お気に入り」、さらに自動的に記録される「登録日」などと、多彩に選択できる。

 保存は名刺片面で5000枚まで。キングジムの調査では40代の営業職の男性が保有する交換名刺は平均で2000枚余りとされ、容量は相当大きい。また、USBケーブルでパソコンにつなぎ、同社が提供する無償ソフトを使用してパソコンでのデータ保存などもできる。

 製品企画を担当したのは、商品開発部開発二課リーダーの東山慎司(29歳)で、2013年2月に社内の開発会議で商品化が承認された。当時、まだ入社5年目で、東山の名刺のストックはそう多くはなかったものの「きちんと管理できず困っていた」のが開発の動機になった。

 すでに同社には、営業担当者など外回りを想定したデジタル名刺管理ツールとしてモバイル式の製品があったが、東山はオフィス向けに定置式の需要もあると踏んだ。もっとも、デジタルによる名刺管理はスマートフォン(スマホ)でも、アプリケーション(アプリ)が続々と開発される状況にあり、社内では商品化に疑問の声もあった。

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