解体 ロシア外交

2014年10月29日

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 他方で、ISISではロシアや中央アジア出身者が主要な役割を果たしているという議論もある。真偽は定かではないが、ISISの二つの拠点であるイラクとシリアのうち、シリアISISの主要メンバーのほとんどが旧ソ連出身者だと言うのである。「クルディスタン24」通信社は、それらの最大80%が北コーカサスと中東ヴォルガ地方の出身者で、残る20%は中央アジアの出身者で、彼らはアラビア語よりも頻繁にロシア語で会話をしていると報じている。

 イスラーム過激派に限らず、北コーカサス各地からのISISへの参加が増えていることは、確かに様々なメディアでしばしば報じられている。加えて、南コーカサスのアゼルバイジャンからも戦闘員が参加していると報じられており、首都・バクーでISISの旗を振って同運動を広めようとした者が逮捕されたりもしている。

 そして、中央アジア出身者の増加が顕著になっているとも言われている。何故なら、中央アジアは国境管理が緩いので、中央アジアがISISへの移動ルートとして利用されることが多く、また、ISISの戦闘員になると、中央アジアの人々がロシアで労働移民として得られる賃金よりも2倍以上の稼ぎができることも中央アジアの人々の参加の要因となっているという。

ロシアに対する宣戦布告

 さらに、ロシアを震撼させているのがISISの野戦司令官によるロシアに対する宣戦布告である。その野戦司令官は、タルハン・バチラシヴィリ、通称:オマル・アル=シシャニである。チェチェン人と報じられているが、本名からするとグルジア系であろう。

 アル=シシャニはイスラーム戦士1000人をつれてモスクワに復讐すると宣言している。ISISは既にイラクでの目的をほぼ終えつつあり、次はロシアをターゲットに据えているという。その宣言に先立ち、ISISはインターネットでもロシアに対する宣戦布告をしていた。同ビデオでは、戦闘員たちがシリアのラッカ空軍基地で奪取したというソ連製の戦闘機のコックピットに座ったり、機上に立ったりして、その一人がプーチンに対し、チェチェン及びコーカサスを解放して、イスラームのカリフ制国家を建設すると宣言しているのである。

チェチェンとISIS

 チェチェンといえば、現在はプーチンの傀儡的存在であるラムザン・カディロフによる恐怖政治で事実上の安定が維持されているものの、ロシアからの独立を宣言し、事実上の未承認国家であった「チェチェン・イチケリア共和国」との二度にわたる紛争を経験するなど、ロシアにとって常に悩みの種であった。

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