中国メディアは何を報じているか

2014年10月30日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 都市の拡張面積は過去5年間で中国各地の中心地域人口は3500万人しか増加していないという。住宅業界の監督官庁である住建部による都市での1平方キロの基準では新たに建設される区域では1万人の収容能力がある都市の基準からいえば、新たに建設された9700万平方キロに9700万人が収容能力があるが3500万人しか増えていない為、一部の都市は「ゴーストタウン」の様相を呈しているのだ。

 ランキングではトップ50の都市を最終的に掲載したが、その中心地域の人口や建設面積の比率が0.5を下回っていたり、わずかに上回っているため、近い将来50近くの「ゴーストタウン」が出現する可能性があるというわけだ。

 この調査からメディアが報道したことのある、昆明市(雲南省省都)、鄭州市(河南省)、天津市等の「ゴーストタウン」現象は短期的で見た目だけで厳密には発展の過渡期にあるから、こうした都市が「ゴーストタウン」となる可能性は低いと楽観視されている。

観光地、資源開発による都市が目立つ

 この度の「ゴーストタウン」ランキングを見ると地域的な特徴が浮かび上がってくる。例えば、華東地域では浙江省の6つの都市がランクインしている。次いで江蘇省が2つ、福建省が1つだ。江蘇や浙江は都市化が比較的進んでいる地域であり。比較的成熟した大都市地帯である。ただ「ゴーストタウン」の存在は三角デルタ地域で多くの労働人口の移動があり、こうした人口がデルタ地帯の経済的繁栄に大きく貢献しているのだ。東北地域は計画経済時代からの古い工業地帯であり、多くが計画経済の下に発展してきた都市である。その点から市場経済への転換において十分に市場に対して理解を深め、掌握することができていなかった。

 ランキングから、2種類の都市が比較的典型であることが浮かび上がっている。一つは三亜市や威海市に代表されるような観光地であり、もう一つは楡林市やオルドス市を代表とするような資源開発による都市である。西北地域でランクインした多くの都市は資源型の都市であり、内蒙古自治区のいくつかの都市は皆、成金的急成長を遂げた地域で、不動産市場の過熱により「ゴーストタウン」現象が現れた。

 中国の庶民が行えるしっかりとした金融投資のチャンネルは非常に少なく、多くが不動産市場に流れる結果になっているのだ。山東省等の沿海観光地で不動産の供給過剰を引き起こしたが、中国人の支払い能力と消費の需要は沿海地域でのバケーションのレベルにはまだ達していないのだ。

 ランクインした多くの都市は「ゴーストタウン」番付で上の方につけたとはいえ、町全体が「ゴーストタウン」というわけではない。例えばランクインした二連浩特の人口はわずか10万人程度だが、2位の欽州は310万、3位のラサは56万人、4位の嘉峪関は30万、5位の井岡山は15万と千差万別だ。

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