あの負けがあってこそ

2014年10月30日

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 これを境にワールドカップを頂点とする15人制ラグビーとは異なり、オリンピックを頂点としたセブンズラグビーがにわかに脚光を浴びる競技となった。もともと競技人口が少なかった女子ラグビーには、世界の大舞台を目指して他競技から優れたアスリートたちが参戦した。

 竹内もその中のひとりだった。

(撮影:筆者)

 「私も日本代表のトライアウトを受けて、世田谷レディースに移って2年が経った頃に日本代表スコッド(候補)に呼ばれました。そこにいたのはバレーボール、ハンドボール、バスケットボール、陸上競技など強豪チームでやってきた経験者が多くて、走るスピードが速かったり、俊敏でステップが鋭かったり、陸上の投擲で凄いパワーを持っていたりと、皆が一芸に秀でていました。でも私だけが何もなかったのです。スコッドに入るまではウエイトトレーニングも教わったことがなく、足も速くないし、ステップも切れない。パスが上手いわけでもありません。はじめの頃は、なんで私がここにいるのだろうと劣等感の塊のようでした」

 だが、苦しかった大学時代の経験が竹内を強くしていた。

 「パスが上手く投げられなくても、大きな声でパスを呼ぶことはできる」「運動量が多いという理由で呼ばれているなら、フィットネストレーニングでは絶対に一番になってやる」

 「今の自分にできることは明らかに少ないけれど、それでも、できることは全てやる」と心に決めて毎回練習に臨んだ。持っている強みが少ないと自覚する竹内は、そこに全てを出し切ったのである。

 決めたことは必ずやり通す性格であり、自分で自分を追い込める強い心が実を結んでいく。

自分の強みを出し切るために

 初めて日本代表に選ばれたのは2013年2月にヒューストンで行われた「IRB女子セブンズワールドシリーズ(IRB Women’s Sevens World Series)」の第二戦・アメリカ大会」である。

 竹内について女子セブンズ日本代表(サクラセブンズ)・浅見敬子ヘッドコーチは、「竹内選手は真摯な姿勢でラグビーに取り組んでおり、努力を惜しまず、規律を重んじる選手です。フィットネスもあり、体を張り続けることができる」と選出した理由を語っている。

 以来、日本代表になくてはならない存在になっている。

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