あの負けがあってこそ

2014年10月30日

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 現在、竹内は国内での活動や国際大会出場など年間約200日を日本代表に費やしている。

 「家族よりも長い時間チームで過ごしているからといって、この生活を日常と考えてはいけません。慣れてはいけないものです。今日はここ(日本代表)にいられても、明日はわかりません。怪我をして戻ってこられないかもしれませんし、別の選手が呼ばれて、自分には声が掛からないかもしれないからです。常にそういった緊張感を持っているので、良い仲間であってもみんながライバル関係にあると思っています」

 竹内は自身の強みをフィットネスの高さと空中戦にあると言う。空中戦というのはキックオフやラインアウトで空中にあるボールを競り合うことであり、バレーボールから転向した竹内には高さによる恐怖心がない。

 またフィットネスに関しては、試合ごとに自分の能力を全て出し切れれば最高の武器になると考えている。

©2014,JRFU Photo by H.Nagaoka

 そんな竹内が憧れる選手はラグビー王国ニュージーランドのサラゴス(Sarah Goss)という選手だ。

 「ニュージーランドの選手は特別大きいわけでもなく、ひとりだけ飛びぬけて速い選手がいるわけでもありません。でも、みんなが上手くて、ステップが切れて、全てにおいてレベルが高いのです。その中でサラゴスはそれほど上手くもないし、速くもないし、ステップが鋭いわけでもありません。ですが、空中戦が凄く強くて、味方が蹴るキックオフのボールを獲得する率が高いのです。フォワードである以上、私もボールを獲得できる選手でありたいと思っています。速く走れなくても、上手くステップが切れなくても、味方が持ち込んだボールは絶対に取られない、そしてルーズボールでもセットプレーでもボールを獲得できる選手になりたいと思っているので、サラゴス選手に憧れています」

目標はリオ五輪金メダル

 日本代表の強みは運動量の豊富さと俊敏性にある。男子にも共通することだが、身体のサイズの差は日本人の宿命ともいえる課題だ。日本ラグビーは長きにわたりこの課題と戦い続けた挑戦の歴史がある。女子もまた世界の頂点に挑むためには、この課題を越えなければならない。

 小さな日本人は身体の大きな外国人選手を俊敏性と運動量で凌駕しなければ勝機はないだろう。ハーフタイムを挟み前後半合わせて14分しかないゲームなので、その短い時間内でいかにボールの保持率を高めるかが問われる。ゆえに竹内のように「ボールを獲得できる」選手が必要なのだ。

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