うつ病蔓延時代への処方箋

2014年11月13日

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 映画を見て流した涙のほうが、より高濃度のたんぱく質が含まれていることがわかりました。そのたんぱく質に、いわゆるストレスホルモン(ACTH)などの化学物質が含まれていると推論し、自説がある程度裏付けられたとしています。ACTHは脳が作り出すストレスホルモンの一種です。このことから、悲しいときに涙を流すのは体内で増えたストレスホルモンを体外へ捨てることが目的だと考えられます。

 東京女子医科大学名誉教授の出村博先生は、泣く前後の血液中のストレスホルモンを調べました。その結果、泣く前より泣いたあとのほうが、ストレスホルモンの減少が見られたという研究報告を発表しています。この現象は、情動によって泣いた後に見られ、玉ねぎを切ったあとには見られません。逆に玉ねぎで出す涙ではストレスホルモンが増えたということです。

涙活を世界にも広めたい

―― 今後の活動方針などは。

吉田:まず感涙療法士の育成に力を入れていきたい。現在、2カ月に1回のペースで、資格取得認定講座を行っており、これまで約50人の感涙療法士が生まれています。資格取得者が各フィールドで活躍できるようにさらなるサポートをしていく方針です。

 遠くない将来には、海外の学校で涙の授業(涙活)をやりたいと考えています。私は英語の教師を務めていましたので異文化交流への関心を高くもっており、涙活を世界にも広げていく活動をしていく希望を抱いています。

 涙を流すことがうつ病の予防や緩和に役立つのではと考えています。うつ気味の人は、自律神経の切り替えがうまくいかず、前頭前野の機能が低下していると考えられます。涙活で積極的に涙を流すことが、その改善策につながるという期待を抱いています。まだ研究の余地がありますが、私も日々、勉強しているところであります。

  
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