中国メディアは何を報じているか

2014年11月27日

»著者プロフィール
著者
閉じる

弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

 記事によれば、習主席は11月16日にルセフ大統領と会談し、「両洋鉄道」建設において実質的な展開に期待を示したという。昨年10月以降、李克強首相はタイ、オーストラリア、中東欧、アフリカ、英国、米国等を訪れ「高速鉄道」外交を展開してきた。「中国鉄道プロジェクトには勢いがあり、挫折に遭っても『海外に打って出る』勢いは防げず、ついに「さなぎが蝶になり」世界の高速鉄道時代をけん引するまでになった」と評価している。

「シルクロード経済ベルト」と高速鉄道

『寰球立方体』(410号)「両洋鉄道」(左下) http://www.xinhuanet.com/world/jrch/410.htm

11月16日午前11時、汽笛を鳴らし、満員の乗客を乗せた始発列車がウルムチ南駅を出発した。これにより蘭州と新疆ウイグル自治区を結ぶ、蘭新高速鉄道が開通した。中国の西北地域で高速鉄道時代の幕開けを迎え、中国と中央アジアの距離が縮まった。この度開通した蘭新高速鉄道はウルムチとハミを結ぶ530キロの区間である。ウルムチ南、トルファン北、ピチャン北、トゥハ、ハミの5駅が開業した。全線開通すれば蘭新鉄道は全長1776キロ、甘粛省、青海省、新疆ウイグル自治区を縦断する世界で最も長い高速鉄道になる。ハミから蘭州までは今年末に開業予定だ。ウルムチから北京までは2017年に開通予定で、それまでの41時間から16時間に短縮される。

蘭新鉄道は新疆ウイグルにとって唯一の鉄道路線であり、輸送能力は年間7500万トンと既に飽和状態に達しつつあった。そこでもし高速鉄道が開通すれば旅客と貨物が分散可能になり、毎年1億5000万トンの輸送量が見込まれる。また中国と中央アジア、西アジアとの距離が縮まり、「シルクロード経済ベルト」の中心として新疆の経済社会発展にも大きな潜在力と空間を提供すると期待される。新疆の石炭を輸送する時間やコストも削減できると見込まれる。

トルコ高速鉄道で「シルクロード」に「融合」

 また、記事によればトルコの首都アンカラからイスタンブールまでの高速鉄道が7月25日に開業した。全長533キロのうち、中国企業、中鉄建トルコ支社が請け負ったのは158キロ分。37のトンネルや、10キロもの橋梁もあり、伝統的な爆破工事が行えず、掘削を行うしかないなど困難も少なくなかったという。

 中国が提起する「一帯一路」(シルクロード経済ベルトと海のシルクロード)構築とトルコの「東西鉄道路線」構想が期せずして一致したこともあって高速鉄道建設が進められてきたが、記事中でトルコ外務省のエルシン局長は、「トルコ側は積極的に『一帯一路』と融合させてより多くの実質的な発展を期待している」と表明した。

関連記事

新着記事

»もっと見る