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2014年11月27日

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弓野正宏 (ゆみの・まさひろ)

早稲田大学現代中国研究所招聘研究員

1972年生まれ。北京大学大学院修士課程修了、中国社会科学院アメリカ研究所博士課程中退、早稲田大学大学院博士後期課程単位取得退学。早稲田大学現代中国研究所助手、同客員講師を経て同招聘研究員。専門は現代中国政治。中国の国防体制を中心とした論文あり。

現在計画中の中国による高速鉄道構想

 『寰球立方体』は『京華時報』が5月に掲載した中国の高速鉄道プロジェクトの全体像についての紹介も載せている。それによると現在計画中の主な高速鉄道構想は以下の通りだ。

〔1〕 ユーラシア(欧亜)高速鉄道(ロンドンからパリを経由し、ベルリン、ワルシャワ、キエフを経てカザフを通るルートと、極東ハバロフスクに続く二つのルート)[国内部分は既に着工、国外路線は交渉中]

〔2〕 中央アジア高速鉄道(ウルムチから、カザフスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタン、イラン、トルコ等を通って、最終的にドイツに到達)[国内部分は推進中、国外路線は交渉中]

〔3〕 汎アジア高速鉄道(昆明からベトナムを通り、カンボジア、タイ、マレーシアを経てシンガポールに至る)

〔4〕 中・ロ・アラスカ・カナダ・アメリカ高速鉄道(中国東北地域から北上、シベリアからベーリング海峡を海底トンネルで太平洋を渡り、アラスカに抜け、カナダを通りアメリカまで)[検討中]

国際的な高速鉄道建設が直面する3つの挑戦

 いくつかの国を超えた高速鉄道建設プロジェクトが提起され、注目を浴びているが、鉄道建設はそれほど容易ではない。国際的に高速鉄道を建設する際に少なくとも以下のような3つの挑戦に直面する。

・巨額な資金をどう集めるか
ユーラシア鉄道が必要とする資金は天文学的金額に上るという。中国一国の政府が負担できるものではないので、沿線国も資金提供の応じなければ実現は不可能と思われる。

・鉄道の運営
十数の国を結ぶユーラシア鉄道を、どのように管理するのか。国を跨ぐ管理になるため、沿線諸国が運営について意見を一致させるのは非常に難しいと思われる。

・技術面での困難
世界最大の大陸であるユーラシア大陸は、高山や険しい渓谷など地質的条件がとても複雑であるため、高速鉄道建設には技術的に大いなる挑戦が必要とされる。

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