2024年4月17日(水)

炎上?感動?ネットで話題のニュース

2014年12月2日

年賀状の季節ですが、元中の人として。年賀はがきは裏も表も個人情報の塊なので、配達員はそれについて暴露、言及する事は絶対にありません。お子さんが映っていようが見てません。ですが、お子さんに住所を書かせるのだけはやめて下さい。読めません。超多忙な現場で、恐怖の年末推理劇が始まります。
https://twitter.com/sleepthesleep/status/536701301988405248

 このツイートには「あれは本当につらい」「似たような業務なのですごく分かる」などと多くの共感を呼んだ。1万回以上リツイートされると、最初にツイートしたユーザー以外にも、“年賀状仕分けの中の人”たちが次々と現れ、「年賀状を書く際に気をつけてほしいこと」をつぶやいていった。

 その中で集まった意見をまとめると、「子どもに宛名を書かせる場合は、隣に小さい文字でいいので大人が清書する」「子どもは間違えて自宅の住所を書いてしまうことがあるので、必ず確認する」「蛍光ペン、毛筆は判別が難しいのでボールペンを使う」「漢数字より算用数字。縦書きで一二と書くと、三と間違えやすい」など具体的な例があがった。宛先が判別できず誤配送が起こると、個人情報流出につながってしまうという指摘も。こうした経験者からのアドバイスは、かなり有益な情報なのではないだろうか。

狭ければ狭いほどいい!?
集合知を呼びやすい話題の共通点とは?

 「日記解読」と「年賀状の書き方」に共通しているのが、「自分の知恵を、見知らぬ他人に提供する」というユーザーの動きだ。暗号解読に関わったユーザーは、日記の持ち主とは面識のない人物だった。SNSでゆるくつながっただけの相手なのに、なぜここまで熱心に解読に関わったのだろうか。その理由は暇ぶつしや、自分の力を試してみたい、旬な話題に乗っかりたいという思いのほかに、おそらく、ゆるいつながりの中に運命的な何かを感じてしまうのではないだろうか。

 ネット上でふと見かけた話題が、自分の得意分野だったり、経験が活かせる話題だったとき。しかもそれが、少しニッチな分野だったとき。ネット上には多くのユーザーがいるが、その中でも自分にしか解決できないと思ったときに、人はがぜんやる気になるものだ。ウェブメディアの記事でも、「大勢の興味をカバーする話題より、ターゲットを絞った方がユーザーが活発にシェアやコメントをしてくれる」という傾向がある。例えば、ご当地ネタやファンが少ないジャンルの話題などだ。

 発言に参加するユーザーだけでなく、見守るユーザーにもこのような話題はうける。特殊能力(専門知識や経験)を持ったユーザーたちがSNS上でつながり協力し合う姿は、物語性があるためだ。リアルタイムでいきさつを見守ることができるのも、見ていて興奮するのだろう。暗号解読という特殊な知識を要するできごとだったことと、リアルタイムに解読が進む物語性が、この話題が注目を浴びた要因に思える。ネット上にはまだまだ隠されたコアな話題が眠っていると思うと胸が熱くなる。

  
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