ロングセラーの秘訣

2014年12月10日

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多田慎介 (ただ・しんすけ)

プレスラボ

1983年石川県金沢市生まれ。求人広告代理店で10年間営業職を経験し、2014年にプレスラボへ編集/ライターとして転職。30代からの新たな挑戦を日々楽しんでいる。人材・組織や政治、第2の故郷である世田谷についての話題が好き。1児の父。

 日々品揃えが変わるコンビニ。それはヨーグルトの陳列棚も同じだ。激しい販売競争が繰り広げられるマーケットで、1994年12月10日の発売から20年間にわたりカテゴリーシェアNo.1の座を保持し続けている商品がある。フルーツヨーグルト市場で最も人気が高いアロエフレーバーのカテゴリーにおいて、「森永アロエヨーグルト」は約40パーセントというトップシェアで、マーケットを獲得し続けているのだ。

苦境を乗り越え、リアル口コミだけで流通拡大

森結希さん(第一営業本部 リテール事業部 ヨーグルトマーケティンググループ アシスタントマネージャー)

 「それまで世の中に存在しなかった価値を提供したからだと思います」と森は勝因を分析する。日本国内ではそもそも食用としてすらあまり認識されていなかったアロエを、食感の面白さで勝負できる新食材として起用した。ナタデココブームの後であったからということもあったが、民間療法でやけどの手当てに使われるなど、古くから健康素材として親しまれていたアロエをヨーグルトの持つ健康イメージと組み合わせたのだ。「苦い」という先入観を持たれていた味の課題は、南国の果実風味を取り入れることでクリアした。こうして今に続く「おいしくて、美と健康に効く」森永アロエヨーグルトの価値が生み出された。

 だが、発売当初は苦戦を強いられることとなる。今では定番となったアロエの葉をデザインした緑色のパッケージが、店頭の担当者の間で不評だったのだ。森永の新しい挑戦に、大手チェーンのバイヤーは一様に懐疑的だったという。

 苦境を救ったのは消費者。美容意識の高い女性客の関心をつかみ、「意外なおいしさ」でリピート購入を獲得した。SNSなど普及していない時代に口コミで手に取る客が増え、発売翌年には1日平均10万個を売り上げるまでになった。2014年12月10日で発売20周年。累計の販売個数は、なんと53億個を超える。

8週間に一度、新フレーバーを
長期にわたる研究と、新たな展開を同時に進める

 ファンが定着する一方で、同カテゴリーの競合も増え続けている。単品、あるいは2連パックで販売する森永アロエヨーグルトに対し、お得感を打ち出した他社をはじめとする4連パック商品に主婦層が流れている現状もある。これに対し、トップシェアブランドは、どんな展開を見せているのだろうか。

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