世界の記述

2014年12月11日

»著者プロフィール

 なぜサウジアラビアは油価のいっそうの下落が避けられない値下げを行ったのか。そこには同国のしたたかな計算があったと筆者はみる。OPECは11月27日に定期総会を開催する。そこではイランなどの市況立て直し派が減産を主張し、矛先を最大生産国サウジに向けてくるはずだ。それでは市場シェアを一方的に喪失するとサウジは考えた。実際、1980年代中頃、サウジは米国の要請で単独減産し市場シェアを失い奪回に苦労した経験を持っている。

 そこで80兆円を超える在外資産を持ち財政的に余裕のある同国の考えたのが、油価引き下げのもたらす副次効果である。それらは、(1)産油量維持による同国市場シェアの堅持、(2)油価低下の財政面への影響の大きい潜在敵国イランのひっ迫化、及び米国などとの核交渉で石油制裁解除を引き出したいイランの譲歩の引き出し、(3)中東で目障りな動きの目立つロシアの窮乏化、(4)米国シェールガス、シェールオイルの新たな開発・生産の抑制である。

 サウジの思惑通りになるのか否か、国際石油情勢を注目したい。

  
▲「WEDGE Infinity」の新着記事などをお届けしています。

◆Wedge2014年12月号

関連記事

新着記事

»もっと見る