今月の旅指南

2014年12月23日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

 平安・鎌倉時代の仏教・神道美術や江戸時代の絵画など、日本美術の名品コレクションで知られる京都・細見(ほそみ)美術館。「麗しき日本の美」と題したシリーズ企画の第4弾として、この時節にちなみ、新春や吉祥をテーマにした展覧会を開催している。

土佐光吉 《源氏物語図色紙「初音」》
江戸時代初期 細見美術館蔵

 会場に並ぶのは、室町時代から近代までの作品約60点。なかでもハイライトのひとつが桃山時代に活躍した絵師、土佐光吉(みつよし)の晩年の作と伝わる「源氏物語図色紙『初音』」。新年に光源氏が明石の君の御殿を訪ねた場面を描いたもので、金雲や梅の花が配され新春の華やかな雰囲気が伝わってくる。 

 また、江戸琳派の祖、酒井抱一(ほういつ)の弟子、鈴木其一(きいつ)の「歳首(さいしゅ)の図」は、旭日に紅白梅、竹、松葉模様と吉祥尽くしの描表装(かきびょうそう)が目を引く。新年や祝い事の床飾りとして好まれたという、江戸琳派の掛軸ならではの作品だ。

 ユーモラスな鼠(ねずみ)たちの祝宴の様子を描いた伊藤若冲(じゃくちゅう)の「鼠婚礼図」や、昭和天皇即位の大礼に際し制作されたとの箱書きが残る、神坂雪佳(かみさかせっか)の「白鳳図」など、新春に限らず「めでたさ」をテーマにした作品も展示される。慶事の宴に使用された、伊勢海老を四方に配した「伊勢海老蒔絵重箱」など工芸品の逸品も興味深い。雅やかな名品を鑑賞して、お正月らしい気分を味わいたい。

麗しき日本の美
─めでたし、愛でたし─
<期間>12月20日~2015年2月22日
<会場>京都市左京区・細見美術館(市営地下鉄東西線東山駅下車)
<問>☎075(752)5555
http://www.emuseum.or.jp/exhibition/next_exhi.html

*情報は2014年11月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

  
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◆「ひととき」2015年1月号より

 

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