世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2014年12月15日

 APECサミットに際して行われた日中首脳会談について、11月10日付フィナンシャル・タイムズ紙は、好意的な社説を掲載し、これが日中関係の新しいスタートになるか否かは、結局は中国にかかっている、と述べています。

 すなわち、APECサミットの場で、習近平と安倍総理が25分間の会談を持ったことは、最近の悩ましい日中関係における重要な瞬間である。この2年間、両国政府の関係は必要最小限で、武力紛争の危険が高まっていた。二人が、いかに短時間であれ、会うという分別を示したことは、アジア大陸を越えて歓迎されるべきことである。

 習氏は2013年3月に国家主席に就任して以来、安倍氏に会うことを拒否してきたが、安倍氏は、折に触れて、APECサミットの場で習氏と会談したい意向を示してきた。

 両国は、今回の会談で得られた外交的気運を緊張緩和に用いなければならない。尖閣をめぐる係争を国際的調停に委ねることは、両国の利益になろう。それは、日本は主権についての争いが存在することを認め、中国は領域主張を外部の判定に委ねないという伝統を克服する、という双方の譲歩を意味する。

 日本は、靖国問題についても、A級戦犯の分祀などにより解決するよう努力すべきである。

 習氏と安倍氏が、尖閣周辺での軍事行動に関するホットラインの設置の方向で合意したことは、非常に歓迎すべきことである。これが構築されれば、日中の戦闘機の不意の衝突が、危険なエスカレーションを引き起こすことが無くなる。

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