世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年1月5日

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 ロバート・ハディック米特殊作戦司令部の契約要員が、11月24日付のナショナル・インタレスト誌に、「中国のサラミ戦術に対抗する6つの方策」という論説を寄せています。

 すなわち、2008年以来、中国の海洋・法執行機関、沿岸警備隊、海軍の船が東・南シナ海の紛争地域に出てきている。中国は海洋領域への権利主張を強め、スカーボロ礁、ベトナムの排他的経済水域(EEZ)での石油掘削、尖閣諸島、南沙諸島のセカンドトーマス礁などで、中国の軍または軍に準ずる兵力が関与する事件が起こっている。

 戦争の理由になるには小さすぎる行動も、積み重なると、相当な戦略的変化になる。この中国のサラミを切るような戦術に対抗するには、次の6つのことをすべきである。

 第1:東・南シナ海での漁船団を拡大すること。中国の民間船舶プレゼンスに対抗し、国家安全保障上の優先事項として漁船団を拡大すべきである。これは法執行および沿岸警備の船舶(白塗りの船舶)のプレゼンスも正当化する。

 第2:海洋での法執行と沿岸警備の能力、プレゼンスを拡大すべきである。各国は軍艦よりも非軍事的な船舶(白塗り船舶)に予算を回すことで、より速く能力改善を達成し得る。中期的には中国の海軍の能力増強に隣国は対抗しえない。しかし白塗り船舶での競争はより有利に行える。

 第3:米国と同盟・パートナー国の海洋当局(軍も含む)は情報交換、将校交流、多数国間訓練を拡大すべきである。これは低コストの能力向上になる。

 第4:米国などは、即時情報共有システムを樹立すべきである。事件の時の対応に役立つ。

 第5:米国と同盟・パートナー国の政策・企画担当者は多数国間の危機対応の準備をすべきである。

 第6:地域の関心国をこの構想に加わるように招請し、この構想への国際的支持を広めるべきである。

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