2024年4月24日(水)

学びなおしのリスク論

2014年12月26日

個人が正しい知識をもち、個人として対策を打つ

 目に見えない、潜伏期間がある、変異を起こしやすい。これらの特徴を考えると、今後も人類に病気をもたらすウイルスが撲滅されるようなことはないだろう。交通の発達で国内外の移動が容易になったことが感染症のリスクをさらに高める。

 私たちは生きていくかぎり、感染症のリスクをゼロにすることはできないのだ。いくら注意していても、インフルエンザにかかってしまう人は確率的にかならずいる。この事実は受け入れなければならない。

 その一方で、せめて自分の感染リスクを抑えたり、社会の流行拡大を防いだりするために、個人が正しい知識をもち、個人として対策を打っておくことも重要になる。

 「そのための情報をわれわれは発信しつづけていかなければなりません。みなさんには、個人の感染症リスク管理を高めるという点では、ニュースをよく読んでいただくなどし、知識をつけていただくしかないと思っています」

◎今回のまとめ◎
・毎年、冬に流行する「季節性インフルエンザ」に対しては、市民一人ひとりがマスクや手洗いなどの地道な予防対策をしていくしかない。
・ウイルスの変異で発生する「新型インフルエンザ」に対して人は免疫をもっていないため、大流行のリスクが格段に高くなる。
・感染症の知識をもつことが、一人ひとりの感染症への不安を抑え、社会での流行拡大を抑えることにつながる。

  
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