世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年1月14日

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 11月27日付ウォールストリート・ジャーナル紙は、中国が自由貿易協定を豪州、韓国と結んでいる中、日米はTPP交渉を早く終わらせるべきである、とする社説を掲載しています。

 すなわち、米・日その他10カ国が市場解放のためにTPPを締結すべき理由は多い。中国は今月、韓国、豪州と自由貿易協定(FTA)を結んだ。日米が躊躇している間、世界は立ち止まっていない。

 中国は、今後20年間で韓国の商品の90%への関税を撤廃すると韓国に約束した。関税撤廃は韓国の電気製品、医療器具等の対中輸出増につながろう。コメと車の関税は残るが、HSBC(香港上海銀行)は、韓国GDPは3%以上増えると推計している。

 中国の農民が韓国市場により多くのアクセスを得ることは、中韓関係を改善し、日本を孤立させる政治的狙いを持っている。米国が望む日韓との3カ国安保協力を掣肘することにもなる。

 韓国は米国、EUを含む50カ国以上と自由貿易協定を結んでいる。日本と台湾はそうではない。台湾の高官は、中韓自由貿易協定で台湾の対中輸出の5%がなくなると心配している。

 中豪自由貿易協定の影響も大きい。中国は豪州の病院、銀行などのサービスに市場開放し、10年以内に残る関税は撤廃され、中国の民間会社は安全保障チェックを受けずに約10億ドル投資できる。中国の国有企業の投資はチェックを受ける。アボット首相もロブ貿易相もこの協定を歓迎している。アジア・太平洋諸国は、米国の同盟国でさえ、米中間でヘッジしようとしているのである。

 消費者に低価格のメリットをもたらすならば、これは必ずしも悪くない。豪州には米海兵隊の基地があるし、豪州は日本から潜水艦を買おうとしている。ビショップ外相は中国の軍備強化に警鐘を鳴らしている。

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