世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年1月28日

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 ワシントンポスト紙外交コラムニストのイグネイシャスが、12月17日付同紙掲載の論説にて、米中はいずれ衝突するのではないかと考えられているが、当面は協力を進めようとしているようである、と指摘しています。

 すなわち、2014年当初には、米中の対決は不可避かと言われたが、その後、気候変動、貿易、安全保障問題で進展があり、米中関係に控えめなリセットが行われたと言える。

 米中間で将来意見の相違があるのは避けがたいが、意外なことに、先週末行われた米中のハイレベルの対話では、米中双方が、中国の言う「ウィン―ウィン」の協力を探ろうと努めた。

 中国人は、自己の利益につき現実的である。中国側があまり対決姿勢を取らなかったのは、中国が、中国経済が1年前の予測よりやや弱まり、米国がやや強くなったと認めたためかもしれない。そのうえ中国の専門家は、ロシアは弱く頼りになるパートナーではなく、中国の海上権益の強硬な主張が日本、フィリピンや他の周辺諸国を脅かし、これらの国々を米国側に押しやった、と言っており、これらの要因により、中国は米国との協力をより進めようとしているのだろう。

 この対話の準備にかかわったジョセフ・ナイが、近く刊行される本で言っているように、アメリカの世紀はまだ終わっていない。

 ほとんどの米中対話参加者は、アジア太平洋地域で力を投影しようとする米中両国が、いずれ衝突するのではないかと考えているようである。しかし最近の米中首脳会談の後、台頭する中国と依然強力な米国がおおっぴらな対決を避ける道を探す努力が、改めて行われているようである、と述べています。

出典:David Ignatius, ‘A U.S.-China ‘reset’?’(Washington Post, December 17, 2014)
http://www.washingtonpost.com/opinions/david-ignatius-a-us-china-reset/2014/12/16/981db07e-855f-11e4-b9b7-b8632ae73d25_story.html

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 この論説は、12月中旬に、北京の中国共産党中央党校で行われた、米Aspen Strategy Groupと中央党校共催の会議に出席したイグネイシャスが、会議での議論をもとに書いたものです。論説によれば、会議の中国側参加者は、公式論にとらわれず、活発な発言をし、対決姿勢は示さなかった模様です。

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