学びなおしのリスク論

2015年2月12日

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漆原次郎 (うるしはら・じろう)

1975年生まれ。神奈川県出身。出版社で8年にわたり理工書の編集をしたあと、フリーランス記者に。科学誌や経済誌などに、科学技術関連の記事を寄稿。早稲田大学大学院科学技術ジャーナリスト養成プログラム修了。日本科学技術ジャーナリスト会議理事。著書に『原発と次世代エネルギーの未来がわかる本』『日産驚異の会議』『宇宙飛行士になるには』など。

 「たしかに、土曜、日曜とよく寝れば、眠気はとれたと感じます。でも、ホルモン分泌の異常や、活動上のパフォーマンスなどは完全に回復するわけではないのです。睡眠不足を本当に解消するには、例えば1週間にわたって毎日、長時間、寝ないとなりません」

眠さにすら気づかなくなる睡眠時無呼吸症候群

 睡眠の問題は他にもある。睡眠中に呼吸が止まることが頻繁に起きる睡眠時無呼吸症候群も深刻だ。日本人の患者数は200万人〜300万人ともいわれる。

 睡眠時無呼吸症候群の質(たち)の悪さを、三島氏はこう説明する。

 「夜中、眠っている最中に無呼吸になって脳波上では何度も目が醒めるとします。でも、本人は目が醒めたことに気づきません。するとその人は、『自分は夜中ずっと目を醒まさず眠っていた』と思い込むことになります。本当は休まっておらず、眠気もとれていないのに。そうしたことが毎日のように続けば、眠くてパフォーマンスが低下していることすらわからなくなります」

 会議中にうつらうつらしている人に「眠いんだろ」と質しても「眠くない」と返ってきたら、それは強がりによる嘘などでなく、本心から眠くないと思い込んでしまっているおそれもあるということだ。

“自己管理ですべて済む”は社会の思い込み

 さまざまな睡眠問題のリスクを聞くにつけて、「自分にとっての最適の眠りをどう見つければよいのか」といった疑問が頭をよぎる。三島氏は「“いつ寝るか”と“どれだけ寝るか”で考えます」と言う。

 “いつ寝るか”とは、眠るタイミングのこと。よく「朝型」「夜型」といわれるが、これらは確実に存在する。「50人ほどを対象にした調査では、7時間ぐらいの時間帯の個人差が見られます。夜9時や10時に眠気が強くなる人もいれば、明け方にならないと眠気が起きない人もいます」。

 自分の本来の眠るタイミングを調べるには、「例えば長期休暇のときなどに、自然に眠くなったら寝るといったことを試みてみることです」と言う。眠くなったタイミングが自分にとっての本来の眠るタイミングとなる。

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