対談

2015年2月18日

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飯田:製造業は大きな工場が来た時の、雇用へのインパクトが非常に大きかったですし、しかも被雇用者の熟練が進むという大きなメリットがあります。だからこそ、これまでの雇用政策では企業誘致の花形だった。その一方でサービス産業は、「食べさせられる人数が少ない」という点からこれまでの地域雇用政策ではともすると軽視されていたように感じます。

増田:サービス産業ひとつひとつはそれほど多くの雇用を抱えることはできませんが、現実に製造業をはじめとして他産業がどんどん衰退しています。製造業頼みはシャープの亀山工場のように、ほんの数年で状況が一変することもあり、かなり厳しいでしょう。

飯田:これから増やすという目標を発生するためには輸送条件に優位性がないと厳しいですよね。その意味で製造業立地に向く都市は幸運だということにはなる。

増田:おっしゃる通りです。新たに公共事業を行って立地環境を整えるような時代ではなくなっています。現状のなかでのベスト、新しい産業の芽が残っているのがサービス産業であるならば、そこで新しいビジネスやサービスの可能性を探っていく必要があるでしょう。農業や漁業など第一次産業に優位性があり他の産業が難しい地域では、中核となる都市との連携を考えなければいけない。そのためにも中核となりうる集積地でいろいろな施策を打って、周辺地域の牽引力となってもらう必要があります。政策的に集住を進めることは日本ではとても難しい面があるので、今ある集積地への政策がカギになると思います。

「それでも東京にいる意味」を問いなおす

飯田:この「WEDGE Infinity」でも対談をしたまちづくりコンサルタントの木下斉さん(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4257)は、若者が安心して小さなお店を起業しやすい街が若者にとっての「住みたい街」になることを重視しています。中央からの目線では大きな起業や誘致をとなりがちなのですが、目の前にあるもので商売をしやすい環境を作ることで、状況は変わるのかも知れません。ビジネス・パーソンが東京に集中しすぎている現状では、大きな起業もどうしても東京に集中しがちですが、地方独自のサービスでの「小さな起業」を支えることに目を向けることも必要でしょう。

増田:そう思います。地方には空き家も空き店舗もたくさんあります。本来はこれらを無料で貸し出して、維持管理はテナント側にやってもらうくらいでもいい。でもそうなっていないのは、そんな視線をもったプロモーターがいないからです。商工会議所も商工会も身内で固まっていて、なかなか新しい風が入らない。

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