対談

2015年2月18日

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増田:大都市の大学を出た人の雇用がないのは大きな問題で、とくに若い大卒女性にとって魅力のある職種が不足しています。おっしゃるように小さな商売を起こしやすいことはその魅力になりえますが、それは従来型の商売とは違うので商工会にも自治体にもノウハウがありません。金融機関がノウハウを提供してくれるのがもっとも相応しいのですが、そうなってもいません。

飯田:自治体や商工会、商店街が音頭を取ると行政にお願いして立派な複合施設を建てるとか、そういったことになりがちですね。

増田:ハコモノに目が行きがちですね。

飯田:立派なハコの建築費から家賃を逆算すれば、その家賃を払えるような新規事業者はいなくなってしまうので、東京からチェーン店を誘致することになる。

増田:チェーン店は撤退する逃げ足も速いですし、地元のお祭りにもなかなか参加してくれません。ハコを作るにしても小さな起業者を集められるような設計が必要ですね。

飯田:私はJC(公益社団法人日本青年会議所)のイベントや講演のお仕事をさせていただくことが多いので、地方の商店主の二代目、三代目の人たちと接する機会は少なくありません。しかし、彼らのなかでも東京の大学を卒業していて、今でも月に2回くらいは東京に来ている、そんなライフスタイルの人が少なくない。継ぐ商売があるから故郷に帰っているわけですが、継ぐものがない人はやはり東京周辺に住み続けることになるでしょう。高校までは地方で教育を受けた人的資本が東京に集中しているわけです。裏返せばよそが育てた人的資本が集中しているからこそ、東京は生産性が高いということでもあります。

 この状況を転換させることは容易ではないですが、東京一極集中を避けながら、クリエイティブなビジネスを地方に集積させ維持するためには何が必要なのでしょうか?

増田:その答えは、おそらくまだ誰も持っていないのでしょう。東京への集積をいたずらに崩すことは、日本全体にとってかえってマイナスです。

 しかし東京という都市の持続可能性を見れば、集積により地価も高くなっていて現役世代が土地を取得することも家賃を払うことも厳しい。高齢者の介護施設入所待ち、いわゆる「待機老人」も43000人に上ります。これは団塊世代が後期高齢者になる時点で一気に増えることになります。

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