WEDGE REPORT

2015年2月20日

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林えり子 (はやし・えりこ)

作家

著書に『清朝十四王女 川島芳子の生涯』(ウェッジ文庫)や『暮しの昭和誌』(海竜社)、『江戸・東京通物語』(ソフトバンククリエイティブ)等がある。

 この一言で若者は奮起する。稽古を続行したお陰で、2002年20歳の時にはコロンビア大学での“ティー・セレモニー”に参加、翌年は舞台美術展のプラハ・カドリエンナーレ“ナショナルデー・日本ブース”の茶会、と海外での経験を積むことになる。この間に、「国境を越えて茶の湯を楽しむ」という“世界茶会”の構想を得るのだろう。

器に制限もなく茶の湯を楽しむ

 卒業後は希望通り就職、ベンチャー企業の人材教育のコンサルティング会社へ入社。広報広告のアートディレクターとして社会人第一歩を踏み出した。

 そんなある日、原宿のジュエリーショップの経営者から「店の奥でお茶をやってみないか」の誘い。これが岡田さんの“茶会ワークショップ”事始だったようだ。07年、25歳であった。

 それから4年後、表千家の“講師認定“を授かって晴れて教授者となるのだが、すでに茶人を職業とする覚悟はできていた。会社を辞すと稽古場を2箇所構えて始動であった。

 彼の茶名は「宗凱」、「凱風なら初夏のそよ風」と語るが、凱は「やわらぐ」とも読む一方で「かちどき」だ。

 茶の湯を愛した戦国の武将たちもだが、20世紀の経済界をリードした益田鈍翁、原三渓らの大茶人の凱旋者たる胸中を想っての命名じゃないかと、涼しげな横顔をそっと拝したのである。

(写真:生津勝隆)

【編集部より】
2月20日発売の『Wedge』3月号、「にっぽんの100人の青年」の記事中において、4カ所誤りがあったため、修正した記事をこちらに掲載いたしました。岡田和弘さんはじめ、関係者の方々にお詫びいたします。

  
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◆Wedge2015年3月号より

 

 

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